20ヘルツ以下の世界——地球が奏でる「聞こえない音楽」を聴く
氷河の崩落、山火事、嵐——地球の劇的な現象は、人間の耳に届かない超低周波音として絶えず響いている。音楽家のブライアン・ハウスは自作の装置でその信号を捉え、24時間分の地球の「歌声」を24分間のアルバムに凝縮した。 by Monique Brouillette2026.02.26
氷河が崩落するときの轟音。山火事が発するパチパチという低い響き。押し寄せる嵐前線の咆哮。これらは生きている地球の音であり、この特別な惑星が奏でる音楽であり、こうした劇的な現象の本質を解き明かす手がかりでもある。しかし、いずれも非常に大きな音を立てる一方で、人間の可聴域の閾値を下回る周波数、すなわち20ヘルツ以下において、さらに多くの音響エネルギーを放出している。こうした「超低周波音」は波長がきわめて長いため、遠方の出来事から生じた渦巻く放射として地球を一周することができる。だが人間はこれまで、それらを聞くことができなかった。
これまでは、である。音楽家でアーティストのブライアン・ハウスの新作アルバム『Everyday Infrasound in an Uncertain World(不確実な世界の日常的超低周波音)』は、24時間分のこうした唸りを、最も基本的なベースラインによる24分間へと凝縮し、アンビエント音楽という概念に新たな解釈を与えている。音とは、超低周波音であっても、実際には気圧の微小な時間的変動にほかならない。そこでハウスは、空気を漏斗状に集め、1秒間に100回の測定が可能な気圧計へ送り込む管状装置「マクロフォン」を3基製作した。マサチューセッツ州西部の静かな森から、ハウスは地球が発している信号を捉えることができる。そして録音を60倍速にすることで、人間の小さな耳にも可聴な音へと変換する。「私は、私たちがアクセスできない知覚の層に強い関心があります」と彼は語る。「それは単に低い音というだけでなく、遠方から届く音でもあるのです。それには本当に驚かされました」。
ハウスのアルバムは芸術作品であるが、それを可能にしたのは科学である。気圧計は、1883年に南太平洋の火山クラカタウが噴火した際、その衝撃波を遠くロンドンにおいても記録した。そして今日では、超低周波音センサーからなる世界的ネットワークが、核実験禁止条約の履行を支えている。オレゴン大学の火山学者で、ハワイのキラウエア山の研究に超低周波音を用いているライフ・カールストロムら数名の専門家が、ハウスの音響観測装置の設置を支援し、彼が耳にしている現象の理解を助けた。「彼は興味深い現象を際立たせています」とカールストロムは述べる。ただし、それぞれの音が何に由来するのかを正確に特定することは不可能である。
では実際の音楽はどうか。それは24分間にわたる異世界的な合唱であり、低くうなる振動と、幽霊のように柔らかなささやきが交互に現れる。甲高い口笛のような音は何か。電車かもしれないとハウスは言う。激しい低音域のがたつきは何か。遠方の雷雨か、あるいは変動する海流かもしれない。「私にとって重要なのは、その神秘性なのです」と彼は語る。「それが少し不安を感じさせるものであってほしいのです」。しかし同時にそれは、聴く者をより広く、そしてより深い世界へと結びつけるかもしれない。
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- monique.brouillette [Monique Brouillette]米国版
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