フェイスブックの個人情報保護体制、監査法人は「問題なし」
フェイスブックのプライバシー情報保護対策は、高い評価を得ていた。折りしも、フェイスブックがケンブリッジ・アナリティカ(Cambridge Analytica)によるデータ漏えいに気づいた時期にである。
ウォール・ストリート・ジャーナルは、フェイスブックに対するプライスウォーターハウス・クーパース(PricewaterhouseCoopers:PwC)の監査が2017年末に完了していたと報じた。2011年の米国連邦取引委員会(FTC)との同意審決によりフェイスブックが受けなければならない監査で、対象期間は2015年2月から2017年2月。フェイスブックがケンブリッジ・アナリティカによるデータ漏えいを発見したのは2015年末だった。
PwCは監査報告書の中で「当社の見解では、フェイスブックのプライバシー情報の保護・管理は十分効果的に運用されており、取り扱う情報の保護について合理的な保証が得られています」と、述べている。
PwCが、ケンブリッジ・アナリティカの問題について知らされていたか否かは定かではない。しかし、プライバシーデータ問題が大きな批判を集めている中、監査の基準と厳格性への疑問が浮上している。
FTCは現在、フェイスブックのデータ運用管理について正式に調査している。また、立法府の議員らはソーシャル・ネットワークへのより厳しい規制を検討していると見られる。だが、われわれが以前に示したようにその効果はほとんどなく、時期も逸している。データはもうすでに悪用されてしまったのである。
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