フラッシュ2022年4月20日
-
IHIエアロ、QPS研究所のSAR衛星をイプシロンで打ち上げへ
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]IHIグループのIHIエアロスペースは、九州の宇宙スタートアップ企業であるQPS研究所の小型SAR(Synthetic Aperture Radar:合成開口レーダー)衛星「QPS-SAR」3号機および4号機の打ち上げを受注した。2022年度に「イプシロンロケット」6号機で打ち上げる予定だ。
IHIエアロスペースは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と現在開発中のイプシロンSロケットを用いて、衛星打ち上げ輸送サービスに参入する。同社にとって商業衛星の打ち上げ受注は今回が初めてであり、今後、民間ミッション向け輸送サービスの受注・打ち上げの取り組みを加速していくという。
今回の衛星は、QPS研究所が北部九州を中心とした日本全国25社以上のパートナー企業と共同で開発・製造しているもの。地表に向けて電磁波(マイクロ波)を照射し、反射波を受信・解析することにより地表の状態を画像化するSAR衛星の一種だ。
QPS研究所は従来のSAR衛星の20分の1の質量、100分の1のコストとなる高精細小型SAR衛星「QPS-SAR」の開発に成功し、すでにQPS-SAR1号機と同2号機を打ち上げて運用している。同3号機では、JAXAとアルウェットテクノロジーが共同開発した「軌道上画像化装置」を搭載することで、SAR観測データを軌道上の衛星内で処理するようになり、衛星からのダウンリンク量の大幅な圧縮が可能になる。さらに、3号機以降の衛星からは、36基コンステレーションを構築するための軌道制御用スラスターを搭載するようになる。
(中條)
-
- 人気の記事ランキング
-
- AI can make you more creative—but it has limits 生成AIは人間の創造性を高めるか? 新研究で限界が明らかに
- Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2024 「Innovators Under 35 Japan」2024年度候補者募集のお知らせ
- A new weather prediction model from Google combines AI with traditional physics グーグルが気象予測で新モデル、機械学習と物理学を統合
- How to fix a Windows PC affected by the global outage 世界規模のウィンドウズPCトラブル、IT部門「最悪の週末」に
- The next generation of mRNA vaccines is on its way 日本で承認された新世代mRNAワクチン、従来とどう違うのか?