フラッシュ2023年1月24日
-
JWSTの観測で衝突銀河のエネルギー源の位置を特定=広島大など
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]広島大学などの国際共同研究チームは、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)を用い、合体途中の衝突銀河のエネルギー源の正確な位置を世界で初めて突き止めた。さらに、衝突銀河の「エンジン」とも言えるこのエネルギー源が、非常にコンパクトで小さな領域に集中していることも分かった。
研究チームは、2022年7月に観測運用が開始されたばかりのジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の早期科学観測プログラムにより、世界に先駆けて近傍宇宙にある衝突銀河の観測を実施。観測ターゲット4つのうちの1つの銀河である「IIZw096」で、エネルギー源の正確な位置を特定した。
同チームによると、エンジンのサイズは大きくても約570光年と見積もられ、銀河全体の大きさ6万5000光年と比較すると1/100以下しかない。しかも、銀河中心から外れた場所に位置するのにも関わらず、合体銀河全体からのエネルギーの少なくとも70%が、この領域から放射されているという。
IIZw096については、スピッツアー宇宙望遠鏡で巨大な赤外線エネルギー源の存在がわかっていたが空間分解能が足りず、放射源の正確な場所やその大きさを特定できていなかった。これまで見つかった衝突銀河では、銀河中心や衝突している境界面で巨大エネルギーが発生しているケースがほとんどで、IIZw096のように、外れた場所に位置する領域からエネルギーの大半が放射されていることは非常に珍しいという。
研究論文は、アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ(Astrophysical Journal Letters)に2022年11月15日付けで掲載された。
(中條)
-
- 人気の記事ランキング
-
- Quantum navigation could solve the military’s GPS jamming problem ロシアGPS妨害で注目の「量子航法」技術、その実力と課題は?
- Text-to-image AI models can be tricked into generating disturbing images AIモデル、「脱獄プロンプト」で不適切な画像生成の新手法
- The paints, coatings, and chemicals making the world a cooler place 数千年前の知恵、現代に エネルギー要らずの温暖化対策
- How social media encourages the worst of AI boosterism GPT-5が「未解決問題解いた」 恥ずかしい勘違い、なぜ?