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深層学習アルゴリズムは医師よりも優秀、肺炎のX線画像診断で A New Algorithm Can Spot Pneumonia Better Than a Radiologist

深層学習アルゴリズムは医師よりも優秀、肺炎のX線画像診断で

人工知能(AI)が人間より優れている分野が次々と報告されているが、今度はそれに危険な肺疾患の診断が加わった。

スタンフォード大学の研究者たちは、アーカイブ(arXiv)に投稿した新しい論文で、畳み込みニューラルネットワークを用いて開発した診断システム「CheXNet」の成果について説明している。CheXNetの訓練には、公開されている10万枚以上の胸部X線画像のデータセットを用いた。X線画像にはそれぞれ、画像に現れている14の異なる疾患に関する情報が注釈として付与されている。研究者たちは、4人の放射線科医にX線のテストセットについて診断してもらい、CheXNetの診断と比較した。すると、CheXNetは肺炎の発見において放射線科医より優れていただけでなく、アルゴリズムを拡張すると、他の13の疾患の識別能力も向上した。

米国では毎年5万人が肺炎で死亡しており、早期発見により死者数の減少が期待できる。肺炎はまた、世界全体の子どもの死因として最も多い単一の感染症でもあり、2015年には5歳未満の子ども約100万人が死亡している。

この論文の共著者であり元バイドゥ(Baidu)のAI研究の主任研究員だった同大学のアンドリュー・ング教授は、AIは今後ますます医学に役立つだろうと考えている。ング教授は以前、心電図(ECG)データで訓練をすることで人間の専門家よりも正確に心臓の不整脈を識別できるアルゴリズムの開発に取り組んでいた。ネイチャー誌に最近掲載された別の深層学習アルゴリズムは、皮膚科の認定専門医と全く同じように癌性皮膚病変を発見できた

特に放射線科医は、しばらくの間、AIから目が離せないだろう。これまでの研究によると、AIはCTスキャン画像の問題点を特定する上で、医師と同等かそれ以上に正確であることが示されている。深層学習の先駆者の一人であるジェフリー・ヒントン博士は、AIの進歩を理由に、医学部は「今や、放射線科医の養成は止めるべきだ」とニューヨーカー誌に語っている。X線画像、CTスキャン画像、および医療写真のようなイメージベースのデータセットの分析は、深層学習アルゴリズムが得意とするところだ。深層学習アルゴリズムは命を救うことができるのだ。

jackie.snow [Jackie Snow] 2017.11.18, 17:55
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