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医療記録から余命を予測、報告書も作る深層学習システム A New Algorithm Identifies Candidates for Palliative Care by Predicting When Patients Will Die

医療記録から余命を予測、報告書も作る深層学習システム

終末医療は、患者とその愛する人々にとってストレスが多いものになることがある。だが、新しいアルゴリズムが、患者の最期の数カ月間により良いケアを提供するのに役立つかもしれない。

スタンフォード大学の研究者たちが、患者の記録に基づいて、3カ月から12カ月以内にその患者が死亡する可能性を予測するニューラル・ネットワークについての研究を、アーカイブ(arXiv)で発表した。緩和ケアの対象となる患者を特定するのに役立つだろうとしている。このアルゴリズムで重要なのは、予測を医師に説明するための報告書も作成できることだ。

米国では緩和ケアがますます増加傾向にある。自宅で受けることができる緩和ケアは、人生の終わりをより苦痛が少ないものにできる。だが、緩和ケアに対する認識が広まる中、80%の人が自宅で亡くなることを希望しているのに対し、実際に希望を叶えられるのは20%にすぎないという。

研究者は、緩和ケアの専門家が不足すると、患者がサービスを受けるための検査を受けるのが遅れることになると指摘。このアルゴリズムは、働きづくめの医師たちが、最も支援を必要とする患者に注力するのに役立つだろうとしている。

ニューラル・ネットワークは、数年間分の電子健康記録(EHR)を使って訓練され、それから患者それぞれの記録を分析する。その後、患者の死亡について予測し、どのようにしてその結果を導き出したか、医師が確認するための報告書を作成する。報告書には、その人が入院している日数、処方されている薬、診断の深刻度などの要因が、予測にどんな影響を与えたかが詳細に記述されている。結果は今のところうまくいっており、同アルゴリズムはパイロット・プログラムとしてある大学病院で使われているという。ただし、どこの大学病院かは明らかにしていない。

以前の記事で書いたように、AIの推論を医師が理解すれば、システムを信頼し、受け入れる傾向が強い。同論文の共著者であり、過去にバイドゥのAI研究の責任者を務めたアンドリュー・ングは、以前の研究で、自動化システムが肺がんの診断心臓不整脈の発見において医師より優れていることを示してきた。しかし今回、機械の超人的な能力を説明する明白な方法を付け加えられたことが、最も価値ある前進かもしれない。

jackie.snow [Jackie Snow] 2017.11.30, 10:45
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