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CO2排出量が3年ぶりに増加の見通し

CO2 Emissions Are Expected to Rise By 2 Percent This YearCO2排出量が3年ぶりに増加の見通し

ここ3年間横ばいが続いていた、人類による二酸化炭素排出は、どうやら再び増加に転じつつあるようだ。

この事実は、ドイツのボンで開催中の国連気候変動枠組み条約締結国会議(COP23)の一環として、ネイチャー・クライメイト・チェンジに発表された新たな調査報告書によって明らかになった。この調査報告書によると、2017年の大気中の二酸化炭素総濃度は実際には低下するものの、あくまでもエルニーニョ現象の緩和によるものだという。一方で、化石燃料や工業生産による地球規模での二酸化炭素排出量は2016年に比べて2%上昇すると予測されている。

国際研究チーム「グローバル・カーボン・プロジェクト(GCP)」によると、排出量増加の大部分は中国とインドによるもので、排出量は中国が3.5%、インドが2%上昇すると見られている。中国とインドの化石燃料利用に対する姿勢は複雑で、排出削減に向けた取り組みを実施するという取り決めを遵守する一方で、急速な経済発展のペースを保つために、安価かつ供給の安定したクリーンエネルギーが広く普及するまでは石炭を利用し続けるという、どっちつかずの路線を慎重に歩み続けている。

パリ協定の二酸化炭素排出削減目標を達成するには、2020年までに二酸化炭素排出量が減少傾向に転じていなければならないというのは多くの気候科学者が同意しているところだが、これを踏まえると今回明らかになった事実は非常に厄介だ。もしこれが継続的な傾向だとしたらなおさらである。「排出量が再び増加に転じること自体はさほど意外ではありませんでしたが、その増加量には驚かされました」。英イースト・アングリア大学の気候科学者で、共同著者の一人として研究報告書の執筆に携わったコリーヌ・ルケレ教授は、ネイチャー誌にそう語った。「2018年の排出量が2017年と同じ程度になるとしたら、私はかなり落胆するでしょう」。

国連は最近、各国政府の二酸化炭素排出削減に向けた取り組みとパリ協定で大筋合意された削減目標との間には依然として大きなギャップが存在すると論じる報告書を発表したばかりで、今回のニュースはその直後に飛び込んできた。気候変動の将来的な影響を和らげるために成すべきことは、明らかにまだ山積みのままだ。

ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe] 2017.11.14, 19:48
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