ZTEヘの制裁は継続、米上院がトランプ大統領の救済策を却下
ドナルド・トランプ大統領は中国に対し、新たに2000億ドルの貿易関税を課すと揺さぶりをかける一方、中国の通信機器大手企業の救済を試みている。
政治ニュース・メディアのポリティコ(Politico)は、米上院が中国の大手通信機器会社ZTEに対して新たな制約を科す防衛支出法案を可決したと伝えている。法案には、ZTEが米国内で科されている制裁は最低1年間解除されることはなく、その間の行動は監視されるといった条項も含まれている。この法案は、共和党のマルコ・ルビオやトム・コットン、民主党のチャック・シューマーやエリザベス・ウォーレンなど与野党双方に支持されている。
4月、米国商務省は米国企業に対し、ZTEとの取引を7年間禁止することを命じた。米国が制裁を科している北朝鮮やイランとZTEが貿易をしたことを受けた措置だ。ZTEは多くの米国製部品を使用しており、トランプ政権の仲介によって10億ドルの罰金や他の方策と引き換えに取引禁止措置を解除する取り決めがされるまで、経営難に陥っている。
ZTEは通商交渉と国家安全保障の両面において、人質のような存在になっている。上院の法案は、制裁を維持することに加え、米政府機関に対し、ZTEとは別の通信機器大手であるファーウェイ(Huawei)からの機器購入も禁じる予定だ。下院も同様にZTEを処罰する法案を検討している。次に何が起こるのかは分からないが、中国はいずれにせよ国内チップ産業の増強を早急に目指すのかもしれない。シリコン部品に対し不当な価格を要求してくる恐れがある米国や他国のメーカーに依存しないようにするためだ。