米司法省、メキシコ国境で移民からDNA採取を計画
米国司法省はメキシコ国境から流入する移民のDNA採取を増やす計画だ。国土安全保障に関係する2人の米政府高官が明らかにした。AP通信によると、採取したDNA情報は米国連邦捜査局(FBI)が管理する巨大な犯罪者データベースに追加されるという。計画の目的と実施時期は不明で、孤児や亡命を求める人が対象に含まれるかどうかも明らかではない。国境で現在実施されている、偽装親子を特定するための簡易DNA鑑定とは異なる。
もしこの計画が実施されれば、犯罪容疑がかけられていない一般市民(この点を忘れてはならない)からの生体識別データの収集が米国政府によって大幅に拡大することになる。現在、国境を超えた不法移民は指紋を採取され、連邦と州双方の司法当局がアクセスできるデータベースに登録されている。
一方でDNAは、犯罪で逮捕された特定の状況でのみ採取されるだけだ。この新しい計画は、DNA採取の目的を犯罪捜査から住民監視に変えるものだと、 米国自由人権協会(American Civil Liberties Union)のヴェラ・エイデルマン弁護士はAP通信に語った。
政府の過干渉への不安以上に、計画が実際に実行できるのかどうかさえも不透明だ。実行する場合、政府職員は何十万人もの口腔粘膜を採取する必要があり、資金や物資を大幅に増やす必要がある。