フェイスブック、医療記録の収集・共有も目論んでいた
病院から患者のカルテを吸い上げるフェイスブックのプロジェクトは現在中断している。理由は明白だ。
4月5日のCNBCの報道によると、フェイスブックは「提案されたある研究プロジェクトのために、米国有数の病院のいくつかに匿名化された患者のデータを共有するよう求めていた」という。
利用者のデータを医療記録と結び付けることで、患者に関するより多くの情報を医学研究者に提供することが目的だった。データを扱う者に個人の詳細情報を見えなくするために、ハッシュと呼ばれる暗号手法を用いる。
分からないことはかなりたくさんある。患者は事前に承諾するだろうか? 米国の「医療保険の携行性と責任に関する法律(Health Insurance Portability and Accountability Act:HIPAA)」には、医療情報の保護を目的としたプライバシー規則が記述されているが、この法律を順守できるのだろうか?
フェイスブックは、事業は「計画段階から進んでいません」という。とりあえずはプロジェクトを棚上げして、「人々のデータを守るためのよりよい方法を探究することを含む重要な仕事」に取り組むともいう。
ご存知のとおり、フェイスブックは大規模なデータ・スキャンダルの渦中にある。今回のニュースにより、同社の個人情報の利用促進に対する恐怖は増すばかりだろう。
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