マウスで遺伝子ドライブの有効性を証明、カリフォルニア大
カリフォルニア大学サンディエゴ校のチームは、遺伝子ドライブと呼ばれる進化を歪めるテクノロジーがマウスに対して有効に働く可能性を示した。だが、少なくとも今のところは、このテクノロジーが研究室から漏れ出して環境破壊を引き起こす心配をする必要はない。
遺伝子ドライブは「利己的な遺伝子」を動物に組み込むことで、「スーパーメンデル型」遺伝と呼ばれる効果を実現するテクノロジーである。利己的な遺伝子は自分自身を複製することで、通常であれば五分五分の確率で受け継がれる遺伝子を、より高い確率で子孫に受け継がせることができる。
科学者は遺伝子ドライブを利用して有害な遺伝子を野生動物に持たせることで、その動物の集団を種ごと撲滅できると考えている。たとえば、遺伝子ドライブを使ってマラリアを媒介する蚊を全滅させる計画があるほか、海鳥を餌食にする侵略的外来種のマウスとラットを島から根絶したいと考えている保護団体がある。一方、このテクノロジーに対する制御が効かなくなるリスクを懸念する人々もいる。
だが早合点は禁物だ。カリフォルニア大学サンディエゴ校のチームは、遺伝子編集技術のクリスパー(CRISPR)を使って遺伝子ドライブを作るのにかなり苦労した(遺伝子ドライブで動物の毛皮の色を変えた)。同チームによると、遺伝子ドライブはメスに対してのみ有効で、オスには効かないという。つまり、マウスの遺伝子ドライブは十分に効果的ではなく、少なくとも現時点では、野生では十中八九は機能しないだろう。
7月4日にバイオアーカイブ(Biorxiv)に投稿されたプレプリントで著者のキンバリー・クーパー助教授らは「遺伝子ドライブが間もなく侵略的外来種のネズミの野生集団を減少させるのに使われることについては、楽観主義と懸念のいずれも時期尚早である可能性が高い」と述べている。遺伝子ドライブはその代わり、人間の疾患をより精緻に再現するマウスのモデルを作るのに役立つだろうとしている。
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