
DNA探偵の「お手柄」続く、殺人以外でも容疑者を特定
DNA情報の公開データベースが初めて、ごく最近の事件の解決のために使用された。DNAデータベースは今や、犯罪捜査に多大な影響を与えている。
スペンサー・グレン・モネットという31歳の男が、高齢女性のカーラ・ブルックスさんに性的暴行をしたとしてユタ州で逮捕された。今年の4月に起こったばかりの事件だ。
容疑者のモネットは「遺伝子系図」により特定された。犯行現場に残したDNAからモネットの親族が突き止められ、次に本人が特定されたのだ。
今年に入って警察は、何十年も前に起こった悪名高い「未解決」殺人事件を解決するため、遺伝子系図を使い始めた。たとえば、1970年代半ばに起こって未解決のままだった「ゴールデン・ステート・キラー」事件だ。これまでのところ、6つの殺人事件が遺伝子系図を用いた捜査の対象になっている。
系図学者は犯行現場に残されたDNAを遺伝子情報の巨大なデータベースにアップロードして、未詳の容疑者の親族を特定する。その後、家系図を作成し、その情報を昔ながらの探偵業務と組み合わせて、「彼」本人に照準を定める(そう、今までのところ、逮捕されたのはすべて「男性」なのだ)。
遺伝子系図のおかげで警察は今や、犯行から数週間以内には犯人を特定できるようになった。おまけにユタ州の事件は、この手法が殺人事件以外の捜査に使われた最初のケースである。
「これは捜査のトレンドになると思っています」と語るのは、モネット事件を担当した遺伝子系図学者でありDNA探偵であるシシ・ムーアだ。ムーアは、犯罪が起きたら直ちに遺伝子データベースを検索することで、警察のリソースを節約し、強姦犯の再犯を阻止できると考えている。
「私たちはとてもほっとしています」とムーアは語る。
