米規制当局、グーグルとアマゾンへの監視体制を強化へ
米国の規制当局が、2大テック企業の反競争的行為に関する疑惑の調査を分担することに同意した。
ワシントンポスト紙の報道によると、米国司法省(DoJ)が「アルファベット」の子会社であるグーグルを、米国連邦取引委員会(FTC)がアマゾンを担当する。
今回の動きは、大手テック企業に対するより厳格な監督を求める政治的圧力の真っただ中で起こった。アルファベットとアマゾン、フェイスブックの合計時価総額は2兆5千億ドルに達し、フランスの年間GDPに匹敵する。その経済力と、文化から政治にまであらゆる対象に及ぶ影響力により、米政界において与野党双方から厳しい非難にさらされている。
欧州連合(EU)の反トラスト監督機関は、大手テック企業を抑制する取り組みで一歩先んじている。グーグルによる反トラスト法違反行為に関連して数十億ユーロの制裁金を科し、繰り返し同社を罰してきた。直近では、オンライン広告を表示する際に、関連広告をWebサイトに配置するグーグルのアドセンス(AdSense)サービスを介することを顧客企業に強制していた件で、同社に制裁金を科した。EUの監督機関はまた、アマゾンが同社のオンライン・プラットフォームで収集するデータが、他社との競争において不公平な優位性を与える懸念があるとしてアマゾンも調査している。
米監督機関が欧州の先例に倣う保証はない。しかし、調査を分割する試みは、大手テック企業に対する公的な調査の先駆けになるかもしれないと考える専門家もいる。FTCが今年に入って、ハイテク事件に特化したタスクフォースを設置した件は、大手テック企業がまもなく、米国でも規制上の重大な心配事を抱える可能性を示すもう1つのサインだ。