米大統領選介入でロシア人らを起訴、全容解明へ前進
米国のロバート・ムラー特別検察官(上記写真)は、ロシア人13人とインターネット・リサーチ・エージェンシー(Internet Research Agency)を含む3社を2016年の大統領選を不法に妨害した疑いで起訴した。
ロシアの介入疑惑は有名な話だが、今回の起訴によって一連の流れを解明する上での手がかりが得られた。2014年に米国を訪れたロシア人らは調査を実施し、検索最適化、データ分析、ITを扱う大規模な組織を含む、洗練されたオペレーションを構築した。あるプロジェクトでは一時、80名が働いていたという。
起訴されたロシア人は「パープル・ステート」、つまりコロラド州、バージニア州、フロリダ州のような共和党と民主党の支持率が拮抗している激戦区で集中的に世論に影響を及ぼした。ロシア人は身元を隠すため、米国内に存在するサーバーを利用して架空のプライベート・ネットワークを構築。メッセージが米国内から送信されているかのように見せかけていた。
米国国土安全保障省の元高官であるマーク・ウェザーフォードは、「米国が情報戦に関して外国人を起訴することは極めて稀です」と話す。だが、今後のテクノロジーの発展によって、オンライン上のプロパガンダ操作に誰が関与しているかを突き止めることは容易になり、このようなケースがさらに増えるであろうとウェザーフォードは考えている。