KADOKAWA Technology Review
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トラック運転手保護へ、米国で電子運行記録の義務化が開始
Truck by Simon Child from the Noun Project
Self-driving trucks are coming—and this law just made things even worse for truckers

トラック運転手保護へ、米国で電子運行記録の義務化が開始

米国では4月3日から、トラック・ドライバーの運転時間を電子運行記録装置(Electronic Logging Device:ELD)を使って強制的に監視する取り組みが正式に始まった。

米国のトラック業界で熱心に論議された話題だが、これからはELDによってトラック・ドライバーが何時間運転したかを記録する必要がある。以前は運転時間を紙とペンで記録していたため、きわめて簡単にごまかすことができた。ELDの義務化でトラック・ドライバーは確実に法令を遵守することになり、道路は安全になるという目論見だ。

トラック・ドライバーの仕事は14時間シフト制で、最高11時間まで運転できる。このシフトを破った場合、ドライバーの収入に大きく響く、10時間の運転停止が罰則として課される。

ELDの設置義務化は本来、2017年12月からの予定だった。だが、ELDと特定のトラック、警察官が使うELDの読み取り装置の互換性の問題で、施行日を延期せざるを得なかった。

トラック・ドライバーは「#ELDorme(ELD or me:ELDか私か)」キャンペーンを展開し、報復ストライキをすると脅している。ストによって、企業のサプライ・ネットワークが悪影響を受ける可能性がある。

このニュースはなぜ重要なのだろうか? トラック・ドライバーと自動運転トラックとの戦いが迫っている。人間のドライバーに対する歯止めを提供できるのは、いまのところELDだけなのだ。

エリン・ウィニック [Erin Winick] 2018.04.04, 12:27
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本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

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