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自動化よりITスキル不足で職を失う、米シンクタンクが警告 Tech Illiteracy Will Get You Fired Before Automation Does

自動化よりITスキル不足で職を失う、米シンクタンクが警告

ロボットが人間の仕事を奪いに来るとか言われているが、そうなる前に自分のコーディングやパワーポイントのスキルをブラッシュアップしたほうがいい。米国のシンクタンク、ブルッキングス研究所(Brookings Institution)が最近発表したレポートにも、そう書かれている。デジタル化が米国の労働市場に対してどのような意味を持つかを調査したこのレポートでは、米国の職業の90%にあたる545の職業についてデジタル化の影響を分析している。

調査の結果は、きわめて妥当と思われる。現在、デジタルに関するスキルのレベルの低い人への需要があるのは、調査した職業のうちわずか30%だ。これは2002年の56%を下回っている。例を挙げよう。ブルッキングス研究所の指摘によると、とりわけ、倉庫業の作業員、機械工、在宅介護職員のような職業すべてで、テクノロジーの活用が急増している。おそらく、それぞれの業務で、在庫の確認用にハンディスキャナのようなものを、自動車の故障箇所の診断にコンピューターを、介護の際にデジタル医療機器を使用していることが理由だろう。

そのほか、2010年以降に生まれた仕事の65%以上で、中程度のデジタルに関するスキルが最低条件として要求されており、よりデジタル化が進んだ仕事ほど給与が高くなることが調査でわかった。「デジタルに関するスキルがないか非常に低いレベルで構わないような仕事の求人は先細っています」と、ブルッキングス研究所のマーク・ムロ上級研究員はワイアードに語っている。「エコノミック・インクルージョン(すべての人に経済活動に参加する機会を提供すること)は今や、労働者のデジタルリテラシーを前提にしています」。言い換えれば、数年以内に失職するということに関して、より差し迫った懸念は、ロボットに仕事を取られることではなく、個人のテクノロジーに関するスキルが一定の水準に達しているかどうかなのだ。

興味深いねじれ現象と言えるのが、ソフトウェア開発のような最もデジタルの意味合いの強い職業で、その分野で働くために必要とされるデジタルスキルの量が緩やかに減少している実情である。ムロ上級研究員がロイター通信に語ったところによると、おそらくこれは、こうしたハイテク産業で専門化が十分と言える状態まで進んだことが原因だ。ハイテク産業ではより柔軟な管理スキルの重要性が増している。しかし、他の人たちにとっては、より難しいスキルのブラッシュアップが要求される時代なのだ。

ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe] 2017.11.17, 6:50
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