
テスラの電気トラックはなぜ160万キロ走行可能? 業界筋の予想
イーロン・マスクの新しい電気トラックについて人々が抱いている懸念は、バッテリー技術の秘密裏の進歩によって軽減されるのだろうか? おそらく軽減されるだろう。新しい記事を信じるならば、の話だ。
テスラの電気トラックに関わる不安材料の一つは、バッテリーの回復力だ。車両用のリチウムイオン電池のほとんどは、1000回の充電で劣化が始まる。テスラの電気セミトラックなら80万キロメートル分の走行距離にしか満たない。問題は、以前の記事で説明したように電気トラックのバッテリーは約40万ドルと非常に高価であり、寿命までに160万キロメートル走行できなければ、ディーゼルエンジンに対して燃料節約の採算がとれないということだ。バッテリーに何らかの進歩がない限り、電気トラックはほとんど売れないだろう。
イーロン・マスクCEO(最高経営責任者)が電気トラックをお披露目したとき、160万キロメートル走行できると語ったが、それがバッテリーについてのことだとは誰も思わなかった。だがAxiosの記事は、テスラのバッテリーセルは2000回の充電が可能で、実際に160万キロメートルの走行が可能だと主張している。
もっとも、いかにして実現するかは別の問題だ。Axiosの記事には明確な答えがそれほど出ていない。電気トラックの競合企業であるニコラ・モーター・カンパニー(Nikola Motor Company)は、テスラの電気セミトラックは同社の自動車に使用されているようなバッテリーではなく、より長持ちするテスラの送電網向け蓄電池のようなバッテリーを使用するのかもしれないとツイッターで言及した。あるいは、より長持ちさせるために、バッテリーに根本的な手直しをするかもしれない。はっきりしないのだ。
バッテリー科学がいかに難しい分野であるか知っていれば (「電池のイノベーション、うまくいかない本当の理由」を参照)、マスクCEOから確かな数字を聞くまでは、懐疑的にならざるを得ない。
- 参照元: Axios
