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米FCCが「ネット中立性」規則撤廃を正式決定 The FCC Has Killed Net Neutrality

米FCCが「ネット中立性」規則撤廃を正式決定

米国連邦通信委員会(FCC)が2017年12月14日、インターネットの民主化を求めたオバマ時代の規則を廃止するよう決定した。

就任後間もなく、ドナルド・トランプ大統領はアジット・パイをFCCの委員長に任命した。パイ委員長は、前政権がインターネット・サービス・プロバイダー(ISP)に課した厳しい規制を撤回する提案を提出。パイ委員長の最終案は感謝祭の週に公表された

FCCの大多数を占める共和党員による5分の3の賛成票をもって、計画の実行が決定された。これによって、ISPやISPが消費者に提供するサービスへのFCCの監視が緩和され、ISPを規制する権利のいくつかが米国連邦取引委員会(FTC)に引き渡される。最も重要なことは、規制が撤回されればISPが自身の利益のためにトラフィックを絞ったり、コンテンツをブロックしたり、優先的にトラフィックを与えることが簡単にできるようになることだ。

議決に先駆けて、パイ委員長はこの決定が「消費者を擁護し、競争を促進するものになる」と述べ、「ブロードバンドサービスを提供するISPに対して、サービスが整っていない地域でのネットワーク構築を動機づけるだろう」とも付け加えた。

しかし、以前解説したように、米国におけるインターネット・サービスの規制を再形成するという動きは、消費者や起業家にとっては損失につながる可能性が高い。MITテクノロジーレビューのサンフランシスコ局長であるマーチン・ガイルズは以下のように説明する。

しかし起業家は当然ながら、大企業が「追い越し車線」のアクセスを支配するために大金を費やし、その結果、高速データ通信が必要なモバイル動画企業などの一部のスタートアップ企業が難しい状況に追い込まれることを懸念している。FTCは(ネットワーク中立性のような規則に)ケースバイ・ケースで苦情にのみ取り組める。法的な争いに乗り出すだけの、時間や資金があるイノベーターはほとんどいないだろう。

では、どうすればいいのか? まず、この計画の実行を遅らせようとする法律上の挑戦が起きるだろう。しかし、今のところは、インターネットへの規制を緩和するという政権の計画が現実のものになったばかりだ。

ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe] 2017.12.16, 16:40
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