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暗号通貨の「闇」にはブロックチェーンで対抗を、IMF専務理事
Chip Somodevilla/Getty Images
The head of the IMF wants to turn blockchain technology against itself

暗号通貨の「闇」にはブロックチェーンで対抗を、IMF専務理事

暗号通貨の基盤技術であるブロックチェーンは、暗号通貨の不法な利用を広める可能性がある。そう語るのは、国際通貨基金(IMF)のクリスティーヌ・ラガルド専務理事だ。ラガルド専務理事は、各国政府が暗号通貨の世界を「毒をもって毒を制す」べきだと主張している

ビットコインやイーサリアムのような公開されたブロックチェーン・ネットワークの取引を追跡するのは、不可能ではないがきわめて困難である。結果として「マネー・ローンダリングとテロ資金のための、重要な新しい手口になる可能性があります」とラガルド専務理事はいう。

ラガルド専務理事が主張する解決策はこうだ。「暗号資産を支えているのと同様の革新的な手法が、規制の手助けになります」。特別な目的のために作られた分散型台帳システムは、規制当局、政府、市場が情報をより簡単に共有するのに役立つ。また、バイオメトリクスや人工知能(AI)など他のテクノロジーと組み合わせることで、ブロックチェーンは「暗号資産エコシステムから汚染を取り除くのに役立つ」かもしれないという。

だが、中央集権的な金融監視システムは、暗号通貨信奉者には受け入れがたいものだ。ラガルド専務理事が提案した新しい高度なシステムは、それを避けるための新しいテクノロジーと手法の追求を促すかもしれない。

マイク オルカット [Mike Orcutt] 2018.03.15, 14:17
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本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

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