米国海兵隊、軍事演習でドローン医薬品配達をテスト
米国海兵隊は、オーストラリアでの4つの軍事演習における自律型医療ドローンを使った医薬品配達テストが、成功裏に終わったことを明らかにした。テストは、オーストラリア軍およびドローン輸送企業のジップライン(Zipline)の協力の下、7月30日から9月5日にかけて実施された。
米国防総省のイノベーション・ユニットのプログラム・マネージャーであるアンドリュー・ムストによると、今回のテストの目的は、ドローンが医薬品や救命救急器具、その他の重要な物資を、交戦地域で自律的に供給できることを証明することにあった。米国防総省は昨年、ジップラインと協力し、このアイデアの最初のテストを米国で実施した。今回オーストラリアでは、「大量に死傷者が出た状況」を想定し、模擬血液と模擬血漿の配達などでドローンが400回以上飛行した。
ドローンによる医薬品配達は、まったく新しいアイデアというわけではない。たとえば10月21日には、 UPS(United Parcel Service)がCVSヘルス(CVS Health)と提携し、処方薬をドローンで配達する計画を発表した。今回のプロジェクトの新規性は、戦場でドローン配達をすることにある。現在、救援物資は輸送車両またはヘリコプターで輸送する必要があり、時間と費用が非常にかかる。「重傷を負った兵士は、最初の1時間で適切な医療処置を受けられるかどうかで、生存率が大きく変わってくるのです」とムストは話している。さらに、輸送車両やヘリコプターで物資を運ぶということは、それらの乗り物の中にいる兵士も危険にさらすことになる。ドローンを使えば、それ以上の負傷者を出すことも無くなる。