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古い人工衛星2基が米国上空で衝突の恐れ
NASA / JPL
Two old satellites could collide over the US on Wednesday

古い人工衛星2基が米国上空で衝突の恐れ

現在地球を周回している人工衛星2基が、米国時間1月29日、ピッツバーグの上空で衝突する可能性がある。

宇宙空間の追跡を手がける企業「レオラボ(LeoLabs)」は、1月29日午後6時39分頃、2つの衛星が至近距離ですれ違うことを発見した。高度は約900キロメートルで、互いの距離は約15~30メートルしかない。2つの衛星は時速約5万3000キロメートル近くの相対速度ですれ違う。視覚された経路はこちらから見られる。

レオラボは地上のレーダー網を使用して地球低軌道の天体を発見・追跡しているが、今回の衝突の確率は100分の1程度と見ている。参考のために述べておくと、米空軍は衝突する確率が1万分の1よりも高い場合に警報を出す。スペースX(SpaceX)のスターリンク(Starlink)衛星と欧州宇宙機関(ESA:European Space Agency)の気象衛星が最近ニアミスを起こした際、衝突確率は1000分の1だった

2つの衛星のうち、1つは赤外線天文観測衛星(IRAS:Infrared Astronomical Satellite)。1983年1月に最初に打ち上げられた米国航空宇宙局(NASA)の宇宙望遠鏡で、すでに運用を終了している。IRASは重さがおよそ1トンもあり、大きさは約24立方メートルになる。

もう1つの衛星は1967年5月に打ち上げられた、「GGSE-4」とも呼ばれている「ポギー5B(POPPY 5B)」。重さはおよそ86キログラムで、ブーム(機器やその他の技術を展開するのに使用される腕)を伸ばすと全長は60フィート(約18メートル)になる。

衛星の大きさを考えると、2機が衝突すれば危険なデブリ(宇宙ゴミ)が大量に生み出されるだろう。国際宇宙ステーション(ISS)の軌道は約408キロメートルで、これらの衛星よりもかなり低いため、すぐに脅威となることはないと見られる。しかし、将来的な危険性については見当がつかない。1月27日にレオラボはツイッターで、「このような事象は、宇宙の持続可能性を前進させるための、衛星の責任ある軌道離脱の必要性に光を当てるものです」と述べた。「私たちは今後数日間、この事象の監視を継続し、最新情報が入り次第お知らせします」。

※日本版編注:レオラボは1月30日のツイートで「新しいデブリの証拠は見られなかった」と発表。衝突は回避されたと見られる。

ニール・V・パテル [Neel V. Patel] 2020.01.30, 10:30
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