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電子通貨に対する各国のスタンスに違い、日本はどうなる? Why Government Banks Have Complicated Feelings About Cryptocurrencies

電子通貨に対する各国のスタンスに違い、日本はどうなる?

各国の中央銀行はデジタル形式の通貨を理解しようと躍起になっている。日本銀行のある幹部はロイターに対し、電子通貨がすぐに現金に取って代わることはない、と11月27日に話した。その見通しは正しいかもしれない。しかし他国の中央銀行のトーンとはいささか異なる様子だ。たとえば、2016年末、中国の中央銀行副総裁は、電子通貨が現金のように流通する環境は熟している、と述べている(以前、MITテクノロジーレビューでは、「Jコイン」という通貨に対して日本が寄せている関心についても報じている)。

一体どちらの見解が正しいのだろうか。実情は国ごとに対応が異なっており、状況はそれほど単純ではない。たとえば、スウェーデンでは、もはや現金はほとんど使われていない。したがって、問題はいつ現金が電子通貨に置き換わるかではなく、誰が電子通貨の供給に責任を持つのかである(「消えゆく現金、 暗号通貨に置き換わるか」参照)。中国政府が電子通貨の開発に関心を持つ理由の1つは、おそらく金融取引に対する監視体制を強化できるからだろう(「世界初、中国の中央銀行が電子通貨をテスト中」参照)。

中央銀行が自前の電子通貨を発行しないと決めたとしても、広がり続ける電子通貨の世界に対処していく方法は模索しなければならないだろう。巨大な政府中央銀行を経由して流通する法定通貨量と比較すれば、電子通貨の市場はまだ比較的小さいが、成長は著しい。ロイターの記事によれば、中央銀行の関係者の中には、何もしなければ、最終的に電子通貨が暴落した際に批判を免れないのではないかという懸念を示す人物もいる。さらに、電子通貨への大規模な転換により、金融政策がひっくり返ってしまうのではないかという懸念もある。

「金融システムに起きる変化があまりにも大きすぎます」と日本銀行の幹部はいう。しかし中央銀行の準備が整っていようといまいと、混乱の時は近づいているようだ。

マイク オルカット [Mike Orcutt] 2017.11.29, 14:26
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