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グーグル、IBMと量子コンピューターの事業化を競う謎の新興企業

Why This New Quantum Computing Startup Has a Real Shot at Beating Its Competitionグーグル、IBMと量子コンピューターの事業化を競う謎の新興企業

クォンタム・サーキッツ(Quantum Circuits)という名のとあるスタートアップ企業が、IBM、グーグル、マイクロソフト、インテルなどといった企業と競い合い、量子コンピューターを研究室からより広大な外の世界へ広めようとしている。クォンタム・サーキッツには、そうそうたる大企業を相手に勝算を持てるだけの理由があるのだ。

その理由とは、クォンタム・サーキッツを創業したのが、イェール大学のロバート・シェールコプ教授であるということだ。シェールコプ教授は様々な研究を通じて、量子コンピューター開発の激動の新時代の幕開けに寄与してきた。

量子コンピューターは、量子もつれと状態重ね合わせという二つの耳慣れない量子物理学の特性を利用して、従来のコンピューターとは根本的に異なる方法で情報を処理する。この手法によって、ほんのわずかな数の量子ビット(キュービット)で機械の性能を劇的に向上させられる。実用的な量子コンピューターを作り出そうと競い合っている各企業はついに、従来の機械には到達し得ない高い性能を持つ量子機械を実現する「量子超越性」として知られる変曲点に近づきつつある。

偉業の達成に現実味が出できたことで、以前は主に学術的研究の対象だった量子コンピューターの分野が、いくつかの大企業と少数のスタートアップ企業の研究部門がしのぎを削る熾烈な競争の場へと変貌した。そして競い合う企業のどれもが、シェールコプ教授が先駆けとなって開発した超伝導回路を利用しているのだ。

シェールコプ教授と同僚たちは、ケーブルを利用してキュービットをもつれさせる「量子バス」を最初に生み出したほか、量子回路における量子アルゴリズムとエラー修正技術を初めて実証した。

クォンタム・サーキッツの3人の共同創業者の残り2人は、イェール大学のミシェル・デュボレ応用物理学教授と、シェイコフ教授の研究室に所属する研究科学者のルイージ・フルンツィオ博士だ(写真の左側から順に、フルンツィオ博士、シェールコプ教授、デュボレ教授)。

「超伝導技術の手法の研究において、最高の貢献をした研究チームです」。量子コンピューティングの研究者でクォンタム・サーキッツの顧問も務めるマサチューセッツ工科大学のアイザック・チャン教授は、イェール大学の広報記事の中でこう語った。「(クォンタム・サーキッツの関係者たちは)過去10年間に成し遂げられた固体量子コンピューティングにおけるブレークスルーの大部分に貢献しているのです」。

ウィル ナイト [Will Knight] 2017.11.15, 13:58
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