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Oculus Finally Delivers the Missing Piece for VR

オキュラス・タッチとリフト
組み合わせたら最高に楽しい

オキュラスの新型ハンドコントローラは、実質現実の魅力を高める。 by Tom Simonite2016.10.07

フェイスブック傘下のオキュラス VRが3月にシンプルなリモートコントローラーと従来型のゲームパッドのみが付属するVRゴーグル「オキュラス・リフト」を発表し、ひどく評判を落とした。MIT Technology Reviewのレビュワーは値段が高くて不格好だが「無視するにはかっこよすぎる」と書いた。

12月に販売されるオキュラス 製の新型ハンドコントローラー「オキュラス・タッチ」は、エンターテインメント、芸術、教育の新メディアとして、実質現実の可能性を実現する上で、大きな役割を果たすかもしれない。突然変異した人を襲撃したり、スプレーを噴射して落書きしたり、3つのポインターを撃ったり、爆弾を処理したりと、実質現実でモノを掴めればより迫力があって面白くなる。

オキュラス のハンドセットコントローラー「オキュラス・タッチ」(価格は199ドル)を初めて見て触ったユーザーは戸惑うだろう。従来型のリモートコントローラーやゲームパッド、ジョイスティックとはまるで違っており、変わった場所にボタンが付いているのだ。

タッチコントローラーにより、実質現実世界で自分の手が使える

ゲームやエンターテインメントを初めて体験するとき、なじみのないコントローラーをどう持って、使って、押せば、モノを拾ったり動かしたりできるのか理解しなければならない。ボタンに触れていることも検出されるから、指をボタンからどう外しておくかも重要だ。

発売間近の『VR Sports Challenge』でアリウープ(着地せずにダンクシュートを決めること)するためにプロフェッショナルバスケットボールプレーヤーを初めて設定するとき、あるいは『Killing Floor: Incursion』で近づいてくるゾンビにピストルではなく懐中電灯で叩くとき、圧倒的瞬間が訪れる。

しかし数時間の間に6つのゲームを試しても、新しいコントローラーの配置を覚えるのは思ったより時間がかからなかった。コンテンツメーカーは標準的なコントローラーの操作方法に、それぞれのゲームのアクションを適合させている。また、より肉体的にバーチャル環境に関われれば、ゲーム体験に没入しやすくなる。重いガジェットが頭に固定され、目から数センチのところに液晶画面があることはすぐに忘れてしまう。

実質現実(VR)内に身体があることのメリットは、誰かとプレーしているときが一番わかりやすい。『Killing Floor: Incursion』では、突然変異体を空き家から一掃するため、他の重装備のプレーヤーと協力したし、『The Unspoken』では、魔法を繰り出して決闘するとき、他の魔女に滅ぼされた(魔法を詠唱するときの手と指の動作を覚えるのは、私がやってみた中では最もやりにくいコントローラーの使い方だった。もしかしたら現実世界での動作と似ていないからかもしれない)。

Getting hands on with virtual objects, like this basketball, makes virtual reality more fun.
バーチャルなモノを掴むバスケットボールなどで、実質現実がより楽しくなる

中には他のプレーヤーが実物大に見えるゲームや、幽霊のように身体のない頭や手だけが見えるゲームもある。誰かと協力して壁に落書きをしたりゾンビを衰弱させたりすると、バーチャル空間での肉体的な行動がどう面白いソーシャル経験につながるのかわかってくる。

明確な長所があるとはいえ、オキュラス・タッチは一夜にして実質現実を大規模市場に変えることはない。今のところオキュラスVR向けにデザインされたほとんどの作品は映像ゲーム業界によるものだ。オキュラス・タッチは単体でも高価だが、システム一式ではさらに高額になる。ゴーグル製品「リフト」を買えば、高性能パソコンとコントローラーで1500ドル以上の出費になる。

しかしオキュラス VRの新しいコントローラーを使えば、未来を垣間見るような気持ちになる(4月に発売され、あまり目立っていないHTCのVRゴーグルViveのモーションコントローラーは、こうした気持ちをより強めてくれる)。もし多くの人が実質現実で過ごす時間に価値を見出すなら、このようなもの(だがより安価で、使い方がより簡単なものが理想)が必要だ。

オキュラス・タッチは、リフトが本当に意味をなすために必要だった「足りない部分」のようだ。グローブやカメラでバーチャル空間をしっかり掴むためにより直感的な方法をオキュラス VRや他社が努力して発展させることが、この新しいメディアの将来にとって重要ではないだろうか。(“The Step Needed to Make Virtual Reality More Real”参照)。

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MIT Technology Reviewのサンフランシスコ支局長。アルゴリズムやインターネット、人間とコンピューターのインタラクションまで、ポテトチップスを頬ばりながら楽しんでいます。主に取材するのはシリコンバレー発の新しい考え方で、巨大なテック企業でもスタートアップでも大学の研究でも、どこで生まれたかは関係ありません。イギリスの小さな古い町生まれで、ケンブリッジ大学を卒業後、インペリアルカレッジロンドンを経て、ニュー・サイエンティスト誌でテクノロジーニュースの執筆と編集に5年間関わたった後、アメリカの西海岸にたどり着きました。
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