KADOKAWA Technology Review
×
「人工知能ってなに?」あなたはこの質問に答えられますか
Karen Hao
Is this AI? We drew you a flowchart to work it out

「人工知能ってなに?」あなたはこの質問に答えられますか

人工知能(AI)は非常に幅広い概念であり、その定義は絶えず進化している。どんなアルゴリズムでも、コンピューター・プログラムでも、十把ひとからげにAIと呼ばれてしまうこともしばしばだ。現時点でAIと呼ばれているものは何なのか、究極的に何を目指しているのか考えてみた。 by Karen Hao2018.11.13

厳密に言うと、人工知能(AI)とは何だろうか。基本的な質問に思えるかもしれないが、その答えは多少複雑だ。

もっとも広義には、AIは、自ら学習して、推論し、行動できる機械を指す。そうした機械は、新たな状況に直面しても、人間や動物と同じように自ら決断を下すことができる。

現在人々がよく耳にするAIの進歩やAIの応用といったことのほとんどは、機械学習というアルゴリズムのカテゴリーを指している。こうしたアルゴリズム は、統計的手法を用いて、莫大な量のデータからパターンを発見する。そうして発見したパターンを使って予測をする。たとえば、あなたがネットフリックスのどの番組を気に入るかとか、あなたがアレクサ(Alexa)に話しかけたとき、その話は何を意味しているのかとか、核磁気共鳴画像(MRI)に基づいてがんに罹患しているかどうか、といったことを予測するのだ。

機械学習とその一部である深層学習(これは基本的には強化型機械学習のことである)は信じられないほど強力であり、多くの主要なブレークスルーの基盤になっている。そうしたブレークスルーには、顔認識や、 非常に本物に近い画像や声の合成、複雑なゲームである囲碁で人間のチャンピオンを打ち負かしてしまうプログラム「アルファ碁(AlphaGo)」などがある。しかし、これもあり得るべきAIのほんの一部分でしかない。

大きな構想としては、人間の知能を模した、「汎用人工知能」ないし「AGI(artificial general intelligence)」と呼ばれるものの開発が挙げられる。専門家の中には、十分なデータを用いた機械学習と深層学習によって、いずれはAGIに到達できると考える者もいる。しかし、大部分の専門家は、AGIに至るには未解明の部分が大きく、まだまだ遥か先のことになると考えている。AIは囲碁をマスターしたかもしれないが、その他の面では今でも幼児よりはるかに能力が劣っている

その意味で、AIは意欲的な分野でもあり、 その定義は常に進化している。かつてならAIと考えられたかもしれないものが、今日ではAIとはみなされないこともあるかもしれない。

それゆえに、AIの境界は非常に混とんとしたものとなりかねず、どんなアルゴリズムでも、コンピューター・プログラムでも、十把ひとからげにAIと呼ばれてしまうこともしばしばだ。ご都合主義でAIの能力を常に誇張してきた、マーク・ザッカーバーグをはじめとするシリコンバレーに感謝すべきだろう。

はっきりさせるために、封筒の裏にフローチャートを描いてみた(上図)。これを見れば、何がAIを活用していて、何がそうでないかを判断できるだろう。

人気の記事ランキング
  1. Forget dating apps: Here’s how the net’s newest matchmakers help you find love 出会い系アプリはもううんざり、「運命の人」探す新ネット文化
  2. Laptops alone can’t bridge the digital divide そしてそれはゴミになった 「一人1台のパソコン」の 失敗から得られた教訓
  3. How tackling tech’s diversity challenges can spur innovation デューク大のコンピューター科学者はなぜ「DEI」を学ばせるのか?
カーレン・ハオ [Karen Hao]米国版 AI担当記者
MITテクノロジーレビューの人工知能(AI)担当記者。特に、AIの倫理と社会的影響、社会貢献活動への応用といった領域についてカバーしています。AIに関する最新のニュースと研究内容を厳選して紹介する米国版ニュースレター「アルゴリズム(Algorithm)」の執筆も担当。グーグルX(Google X)からスピンアウトしたスタートアップ企業でのアプリケーション・エンジニア、クオーツ(Quartz)での記者/データ・サイエンティストの経験を経て、MITテクノロジーレビューに入社しました。
日本発「世界を変える」35歳未満のイノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

記事一覧を見る
人気の記事ランキング
  1. Forget dating apps: Here’s how the net’s newest matchmakers help you find love 出会い系アプリはもううんざり、「運命の人」探す新ネット文化
  2. Laptops alone can’t bridge the digital divide そしてそれはゴミになった 「一人1台のパソコン」の 失敗から得られた教訓
  3. How tackling tech’s diversity challenges can spur innovation デューク大のコンピューター科学者はなぜ「DEI」を学ばせるのか?
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.5
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.5Cities Issue

新型コロナのパンデミックによって激変した都市生活は、ポストコロナでどう変わるのか? 都市部への人口集中が世界で加速する中、環境、災害、貧困といった負の側面をテクノロジーは解決できるのか? 多様な人々が集まり、化学反応が起きるイノベーションの集積地としての役割を都市は今後も果たし続けるのか? 世界の豊富な事例と識者への取材を通して、新しい都市の未来像を描く。

詳細を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る