KADOKAWA Technology Review
×
ウーバー、強化学習の難関ゲームを新アルゴリズムで攻略
Squakenet
知性を宿す機械 Insider Online限定
Uber has cracked two classic ’80s video games by giving an AI algorithm a new type of memory

ウーバー、強化学習の難関ゲームを新アルゴリズムで攻略

従来のAIが苦手とする2つのビデオ・ゲームをウーバーAI研究所のメンバーが「攻略」した。人間を大きく上回るスコアを叩き出した新しいアルゴリズムは、ロボットなどの機械を現実世界で活用するときにも役立ちそうだ。 by Will Knight2018.12.19

新しいタイプの機械学習アルゴリズムが、AIにとって厄介な頭痛の種だった2つのレトロ・ビデオゲームを制覇した。

考えられる限りもっとも難しく、長い歴史を持つ戦略ゲームである囲碁において、AIアルゴリズムが世界トップ・レベルの人間のプレイヤーを負かしたことはご存知のとおりだ。だが、8ビット・コンピューター・ゲーム時代の2つの古典的な作品『モンテズマの復讐(Montezuma’s Revenge)』と『ピットフォール(Pitfall!)』はそれでもAI研究者を長らく悩ませてきた。

矛盾するように思うかもしれないが、これには訳がある。モンテズマの復讐もピットフォールも一見簡単そうに見えるものの、他のビデオ・ゲームの攻略法を学ぶのに適した技術「強化学習」がまったく通じないのだ。アルファベット(グーグル)のAI子会社であるディープマインド(DeepMind)は、強化学習によって古典的ビデオ・ゲームでプロ並にプレイする方法を学習できるアルゴリズムを開発したことで有名だ。強化学習アルゴリズムはほとんどのゲームとうまくかみ合う。ポジティブ・フィードバック、つまりスコアの上昇に呼応して自らの行動を微調整できるからだ。このアプローチの成功によってAIアルゴリズムは、現在は機械では不可能とされるあらゆることを自己学習できるのではないか? との希望がもたらされている。

モンテズマの復讐とピットフォールの難しさは、AIアルゴリズムが自ら微調整するためのよりどころとなる、報酬のきっかけがほとんど存在しないことにある。どちらのゲームも、主人公が敵や罠でいっぱいの荒造りな世界を探検するという、典型的なシナリオが含まれている。だが、あらゆるシーンにおいてゲームを進めるのに必要な多くの行動は、ずっと後になるまでスコアにはつながらない。通常の強化学習ではゲームの最初の部屋からうまく抜け出せず、まさにス …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
Innovators Under 35 Japan 2020

MITテクノロジーレビューが主催するグローバル・アワード「Innovators Under 35」が2020年、日本に上陸する。特定の分野や業界だけでなく、世界全体にとって重要かつ独創的なイノベーターを発信していく取り組みを紹介しよう。

記事一覧を見る
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.2/Winter 2020
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.2/Winter 2020SDGs Issue

今、世界中の企業や機関の技術者・研究者たちが各地で抱える社会課題を解決し、持続可能な世界の実現へ向けて取り組んでいる「SDGs(持続可能な開発目標)」。
気候変動や貧困といった地球規模の課題の解決策としての先端テクノロジーに焦点を当て、解決に挑む人々の活動や、日本企業がSDGsを経営にどう取り入れ、取り組むべきか、日本が国際社会から期待される役割について、専門家の提言を紹介します。

詳細を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る