世界中の推計40億人の人々が物理的な住所を持っていない。物理的な住所がなければ、住民は宅配便や医療、災害救助などの重要なサービスの利用、投票のための住民登録や運転免許の取得といった術を失う。都市も、学校や水道、電線などの新たなインフラを計画するのに苦労する(そして、これは発展途上国だけの問題ではない)。
「グローバル経済への移行が進み、商品を注文して離れた場所に配達してもらう人々が増えるにつれて、『大聖堂の向かいにある赤いドアの家』といった説明よりもっと明確な住所が必要になります」。国際番地指定情報を提供する企業のメリー・ロー社長は話す。
MITメディアラボとフェイスブックの研究者は現在、機械学習を利用して、住所のない場所の住所を指定する新しい方法を提案している。
研究チームはまず、衛星画像から道路のピクセルを抽出するように深層学習アルゴリズムを訓練した。次に、別のアルゴリズムでピクセルをつなぎ合わせて道路網を作った。システムは道路の密度と形状を分析して、道路網を複数の区域に分割し、もっとも密度の高い集合体を街の中心と分類した。街の中心地域は北、南、東、西の四分円に分割され、道路の方向と中心からの距離に応じて道路に番号が振られ、文字が割り当てられた。
最終的な結果を、手動で通りがラベル付けされた、地図化されてい …