KADOKAWA Technology Review
×
【4/24開催】生成AIで自動運転はどう変わるか?イベント参加受付中
AI規制を求め新法案、
米国議会の「本気度」
Simone Nironha
カバーストーリー Insider Online限定
Congress wants to protect you from biased algorithms, deepfakes, and other bad AI

AI規制を求め新法案、
米国議会の「本気度」

人工知能(AI)による意図しないバイアスの排除へ向け、機械学習システムに監査を義務付ける法案が米国議会に提出された。幅広い業界を対象とする「本気」の法案だが、議員らの理解は進んでいない。 by Karen Hao2019.05.16

米国の連邦議員が4月10日、人工知能(AI)を規制する米国初の主要な取り組みの1つとなる新法案を発表した。こうした動きは今後も増えそうだ。

新法案は、今世紀の極めて強力なテクノロジーの1つ、AIに対する米国政府の立ち位置の劇的な変化を示している。ほんの数年前まで、議員らにAIを規制しようという意識は薄かった。だが、その影響がより具体的になりつつある現在、議会の一部はAIの手綱を握るための幅広い戦略の展開に動いている。

こうした動きは米国だけではない。最近になって、英国やフランス、オーストラリアをはじめとする国々でも、テック企業にアルゴリズムの責任を負わせる法案が提出されたり成立したりしている。だが、シリコンバレーを抱える米国には、AIの国際的な影響を形作るユニークなチャンスがある。「欧州の問題の1つは、欧州がAI開発の第一人者ではないことです」。欧州議会の元テクノロジー政策顧問で、現在はプリンストン大学テクノロジー政策センターの客員研究員であるベンダート・ゼーフェンベルゲンはそう話す。「欧州はある意味、多くの点でAIテクノロジーの受け手です。欧州は間違いなく二番手集団です。一番手は米国と中国ですから」。

新法案「アルゴリズム説明責任法(Algorithmic Accountability Act)」は、大企業に対して、自社の機械学習システムのバイアスと差別に関する監査を実施し、問題が見つかった場合には適切な対応を求めるものだ。また、機械学習だけでなく、センシティブなデータ(たとえば、個人を特定できる情報、指紋や声紋などの生体識別情報、遺伝子情報など)が関連するすべてのプロセスにおいて、プライバシーとセキュリティのリスクについての監査も求める法案となっている。法案が成立すれば、消費者保護と反トラスト規制に責任を持つ米国連邦取引委員会(FTC)が監督権限を持つことになる。

今回の法案は、議員や研究者、専門家らが、AIのネガ …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【春割】実施中! ひと月あたり1,000円で読み放題
10 Breakthrough Technologies 2024

MITテクノロジーレビューは毎年、世界に真のインパクトを与える有望なテクノロジーを探している。本誌がいま最も重要だと考える進歩を紹介しよう。

記事一覧を見る
気候テック企業15 2023

MITテクノロジーレビューの「気候テック企業15」は、温室効果ガスの排出量を大幅に削減する、あるいは地球温暖化の脅威に対処できる可能性が高い有望な「気候テック企業」の年次リストである。

記事一覧を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る