携帯電波をセンサーに、
気象ベンチャーが挑む
天気予報のイノベーション
携帯電話や無線機器の無線信号を利用して天気予報の精度向上を目指すスタートアップ企業「クライマセル」が注目されている。きめ細かいデータを集めることで、従来の手法よりも60%以上正確だと主張している。 by Douglas Heaven2019.08.06
2019年4月14日、シカゴはほぼ40年ぶりの大雪となった。気象情報会社は大量の積雪を予測しておらず、最高でも3~6センチの積雪になるだろうと予報していた。だが、晩冬の吹雪の襲来は広範囲での混乱を呼び、市内のすべての空港では計700便以上も欠航しなければならないほどの大雪となった。
だが、航空各社のうち1社だけは他社よりもうまく対処できた。この会社だけは、クライマセル(ClimaCell)の気象予報を使っていたからだ。ボストンを拠点とするクライマセルは、他のどのような気象情報会社よりも正確に天候を予測できると主張する「気象情報技術」のスタートアップ企業だ。クライマセルによると、シカゴに近づく吹雪の厳しさを正確に予測することで、この航空会社はスケジュールをうまく調整し、遅延や発着地変更による損失を最小限に抑えることができたという。
2015年に設立されたクライマセルはこの数年間、世界中の無数の携帯電話やその他の無線機器の信号を利用するためのテクノロジーの開発と、取引関係の構築に投資してきた。これらの無線信号の品質(無線信号強度)を、降雨や大気環境など地域の気象条件を測るプロキシーとして利用する。加えて、街頭カメラの画像分析も使う。同社が提供する天気予報サービスは、米国海洋大気庁(NOAA)など従来の提供者よりも60%以上正確だと主張している。
天気のインターネット
クライマセルの手法自体は、基本的には理にかなっている。他の予報会社はレーダー信号などを使う。だがクライマセルは、無数の日常的な無線機器から得られる情報を利用することで、地上型の機器から人工衛星まで幅広い既存の気象センサーのネットワークから情報を得る他社よりも、 …
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