壁の向こうの行動を認識、MITが開発した電波ビジョンの新手法
ビジョン・システムの進歩は目覚ましいが、光量が少なかったり、対象が障害物など部分的に遮られたりしている場合には正しく認識することが難しくなる。可視光のかわりに電波を使って対象を「見る」ことで、現在のビジョン・システムの課題を解決できるアルゴリズムを、MITの研究者が開発した。 by Emerging Technology from the arXiv2019.10.15
マシン・ビジョンの発達は目覚ましい。人、顔、物を認識する超人的な能力を持ち、 まだ人間の能力には及ばないが、さまざまな種類の動作を認識できるようになっている。
しかし、マシン・ビジョンの能力にはまだ制限がある。人、顔、または物体が部分的に遮られている場合には、機械による認識はとりわけ困難になる。 また、光量が少なくなりすぎると、人間と同じように、機械も事実上、目が見えなくなってしまう。
だが、電磁波のスペクトルの別の部分を使えばその制限は回避できる。電波は昼夜を問わず我々の世界を満たしており、壁を簡単に通過し、人体によって伝達・反射される。実際、研究者たちはWi-Fi無線信号を使用して密室の中を見るための様々な方法を開発してきた。
ところが、こうした電波ビジョン・システムには、いくつかの欠点がある。 解像度が低いのだ。画像はノイズだらけで、不要な反射が多すぎるため、何が起こっているのかを理解するのは困難だ。
つまり、電波による画像と可視光による画像には、長所と短所の両方があるわけだ。しかしこのことは取りも直さず、一方の長所を伸ばし、他方の短所を抑えることで使えるようになる可能性があることを意味している。
マサチューセッツ工科大学(MIT)の大学院生であるティアンホン・リーらの研究グループは、可視光画像を使って訓練することで、電波ビジョン・システムが人々の行動を …
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