KADOKAWA Technology Review
×
ニュース Insider Online限定
Uber Launches an AI Lab

ウーバーはなぜ人工知能のスター研究者を集めてラボを設立するのか?

AIラボは、自動運転車の開発に努力に惜しまないというウーバーの決意の現れだ。 by Will Knight2016.12.07

ウーバーがAIラボを新設したのは、機械学習の未知の領域を探求し、重要な進歩をビジネスに取り入れるのが目的だ。

シリコンバレーに設置されるAIラボは、ニューヨーク大学のゲイリー・マーカス教授(買収額不詳でウーバーが獲得中の企業ジオメトリック・インテリジェンスの最高経営責任者)が率いる予定だ。また、人工知能の著名研究者であるゾウビン・ガーラマニも加わる予定(英国ケンブリッジ大学には非常勤教授として残る)だ。ジオメトリック・インテリジェンスの共同創立者にはセントラルフロリダ大学のケン・スタンレー准教授やニューヨーク大学を卒業したばかりのダグ・べミス(神経言語学博士号取得)などがいる。

新設されるラボの初期メンバーは15人で、さまざまな省データ型機械学習の開発、データだけでなくルールを用いる人工知能(AI)システムの訓練、システムによる判断を説明する機械学習アルゴリズムの設計など、幅広い領域におけるAIの根本的な課題を研究する。こうした分野での進歩は将来の自動運転車に不可欠だが、たとえば自動車の経路決定やウーバーの待機中ドライバーと顧客のより効率的なマッチングにも貢献することになり、ウーバーの現在のビジネスを向上させるかもしれない。

ウーバーのジェフ・ホールデンCPO(最高製品責任者)は12月5日、ブログの投稿で新部門「ウーバー・AIラボ」を発表した。AIラボは、ウーバーがビジネス面でAIの重要性が増大することで設立された。しかし、近年の驚くべき進歩にも関わらず、信頼性のある無人乗用車の開発には、より一層の基礎的な進歩が不可欠である現実も反映していそうだ(「試験中の自動運転タクシーはしばらく試験中のままな理由」参照)。

「自動運転車が現実世界で起こりうるシナリオのすべてに対処できるまでには長い時間がかかるでしょう」とウーバーのホールデンCPOはいう。ホールデンCPOは機械学習の将来の進歩により「人間はまったく異なることができるようになる」が、「問題はその未来で何が人間の役割なのかだ」という。

ホールデンCPOは5月 …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【春割】実施中! ひと月あたり1,000円で読み放題
10 Breakthrough Technologies 2024

MITテクノロジーレビューは毎年、世界に真のインパクトを与える有望なテクノロジーを探している。本誌がいま最も重要だと考える進歩を紹介しよう。

記事一覧を見る
気候テック企業15 2023

MITテクノロジーレビューの「気候テック企業15」は、温室効果ガスの排出量を大幅に削減する、あるいは地球温暖化の脅威に対処できる可能性が高い有望な「気候テック企業」の年次リストである。

記事一覧を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る