KADOKAWA Technology Review
×
【本 日 最 終 日】10/31締切 日本初開催 「Innovators Under 35」候補者募集中
Is This Africa’s First Smartphone Factory?

今度こそ、初のアフリカ産スマホが登場?

南アフリカのスタートアップ企業が間もなくスマホの製造を開始する。しかし、初の「メイド・イン・アフリカ」携帯電話が話題になったのは、もう何年も前だ。 by Michael Reilly2016.12.06

オニックスコネクト(南アフリカで1050万ドルの資金を調達したスタートアップ企業)は5日、「アフリカで初めてスマホを製造した会社」になろうとしていると発表して話題になっている。ブルームバーグの記事によると、オニックスコネクトは2017年早々に工場を稼働させ、グーグルとのライセンス契約により、アンドロイド携帯電話を製造予定だ。

このニュースはテクノロジー業界にとって、手つかずの最後の成長市場(フェイスブックの場合)であるアフリカ大陸で、少し期待が持てる発展が起き始めたかのように思える。しかし、アフリカ人の携帯電話の利用率は米国とほぼ同じだ。とはいえ、ほとんどは中国製品であり、多くの人にとって、携帯電話は高すぎる買い物だ。オニックスは、アフリカ産電話機メーカーとして従業員を雇い、低価格なスマホ製造を立ち上げる。カメラと1ギガバイトのメモリーが搭載された端末を約30ドルで製造するという。

しかし、アフリカで、アフリカ人による、アフリカ人のための低価格な携帯電話を製造する、というのはオニックスが初めてではない。昨年、スタートアップ企業のVMKがコンゴ共和国の首都ブラザヴィルに工場を開き「エリキア(Elikia)」というスマホ等の製品を製造していると報じられている。

だが、VMKが自社の携帯電話を「メイド・イン・アフリカ」と呼べるかどうかは解釈による。工場稼働前のクオーツの記事によれば、VMKは基本的には中国製の携帯電話を購入し、VMKのブランドロゴを貼り付け、値段を吊り上げてコンゴとコートジボワールで販売しているだけだという。情報によればVMKはアフリカでの特許実施権がなく、現地には携帯電話を製造できる水準の技術はほとんどない。

オニックスは、自社製品で使う多くの電子部品は、中国の工場から輸入するつもりだと認めている。しかし、オニックスは、端末のデザインや将来モデルの計画、研究開発はすべてアフリカでするという。さらに、グーグル等の巨大多国籍テック企業と、ノートPCやタブレット等の端末にも開発の手を広げることについても話し合っているという。

いずれにしても、誰が本当に「メイド・イン・アフリカ」製品を製造しているのかはっきりしない。製造工場をオープンするだけでニュースになってしまうが、現地の教育や研究開発、起業家精神に対する莫大な投資はまだまだ必要だ。オニックスコネクトは、まさにこれからの成長市場で大きな一歩を踏み出したといえるかもしれない。しかし、この先にはまだまだいくつもの段階がある。

(関連記事:Bloomberg, Quartz, “壮大すぎるフェイスブックのユーザー増加策,” “フェイスブックのインターネット普及構想は失敗続き”)

人気の記事ランキング
  1. OSIRIS-REx collected too much asteroid material and now some is floating away NASA探査機、小惑星のサンプル採取に成功も多過ぎて蓋が閉まらず
  2. The deadline for IU35 Japan entries is approaching Innovators Under 35 Japan、候補者の応募・推薦締切迫る
  3. There might be even more underground reservoirs of liquid water on Mars 火星の南極に新たな地下湖、生命体が見つかる可能性も
  4. Satellite mega-constellations risk ruining astronomy forever 増え続ける人工衛星群で天体観測が台無し、解決策はあるか?
  5. Room-temperature superconductivity has been achieved for the first time 世界初、15°C「室温超伝導」達成 夢の新技術へ突破口
タグ
クレジット Photograph by Justin Sullivan | Getty
マイケル レイリー [Michael Reilly]米国版 ニュース・解説担当級上級編集者
マイケル・レイリーはニュースと解説担当の上級編集者です。ニュースに何かがあれば、おそらくそのニュースについて何か言いたいことがあります。また、MIT Technology Review(米国版)のメイン・ニュースレターであるザ・ダウンロードを作りました(ぜひ購読してください)。 MIT Technology Reviewに参加する以前は、ニューサイエンティスト誌のボストン支局長でした。科学やテクノロジーのあらゆる話題について書いてきましたので、得意分野を聞かれると困ります(元地質学者なので、火山の話は大好きです)。
Innovators Under 35 Japan 2020

MITテクノロジーレビューが主催するグローバル・アワード「Innovators Under 35」が2020年、日本に上陸する。特定の分野や業界だけでなく、世界全体にとって重要かつ独創的なイノベーターを発信していく取り組みを紹介しよう。

記事一覧を見る
人気の記事ランキング
  1. OSIRIS-REx collected too much asteroid material and now some is floating away NASA探査機、小惑星のサンプル採取に成功も多過ぎて蓋が閉まらず
  2. The deadline for IU35 Japan entries is approaching Innovators Under 35 Japan、候補者の応募・推薦締切迫る
  3. There might be even more underground reservoirs of liquid water on Mars 火星の南極に新たな地下湖、生命体が見つかる可能性も
  4. Satellite mega-constellations risk ruining astronomy forever 増え続ける人工衛星群で天体観測が台無し、解決策はあるか?
  5. Room-temperature superconductivity has been achieved for the first time 世界初、15°C「室温超伝導」達成 夢の新技術へ突破口
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.1/Autumn 2020
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.1/Autumn 2020AI Issue

技術動向から社会実装の先進事例、倫理・ガバナンスまで、
AI戦略の2020年代のあたらしい指針。

詳細を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る