KADOKAWA Technology Review
×
【4/24開催】生成AIで自動運転はどう変わるか?イベント参加受付中
ロシアの人工衛星が米国のスパイ衛星に接近、ストーキングか?
US Air Force
宇宙 無料会員限定
A Russian satellite is probably stalking a US spy satellite in orbit

ロシアの人工衛星が米国のスパイ衛星に接近、ストーキングか?

人工衛星の軌道上で1月、ロシアの衛星が、米国のスパイ衛星に接近し、ぴったりと後をついてくるという出来事があった。ロシアは、米国のスパイ衛星に関する情報を収集するために、自国の衛星にこのような操作をしているものと見られ、こうした出来事が今後、繰り返し発生することは、ほぼ確実だ。 by Neel V. Patel2020.03.05

衛星軌道上で1月20日、かなり奇妙なことが起きた。ロシアの人工衛星が突然、米国のスパイ衛星にぴったりと寄り添うように移動したのだ。両者の距離は現在300キロメートル以下。宇宙空間ではごく短い距離だ。何が起きたのか正確には分からないが、ロシア衛星の動きは米衛星のスパイが目的であることを強く匂わせており、米国が打てる対抗策はほとんどない。

ロシアの公式見解では、「コスモス(Kosmos)2542」と呼ばれるこの衛星は、自国の軌道上の資産を綿密に観察するための衛星「査察」テクノロジーを試験する計画の一環だ。親衛星の近くに子衛星を打ち出して画像を撮影するとしている。

だがコスモス2542の親衛星や子衛星が取った最近の動きは、この表向きの話とは何一つ一致しない。パデュー大学で宇宙力学を専攻する大学院生のマイケル・トンプソンは、コスモス2542のニュースを初めてツイッターで明かした。トンプソンは、コスモス2542の親衛星が、米国の衛星「USA245」(275キロから1000キロメートル上空の低軌道上を周回している)と異常なほどの正確さで足並みを揃えており、一方で子衛星は実際には何も役割を担っていないようだと指摘する。

依然として状況証拠にとどまるものの、戦略国際問題研究所(CSIS)で航空宇宙セキュリティ特別研究員を務めたトーマス …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【春割】実施中! ひと月あたり1,000円で読み放題
10 Breakthrough Technologies 2024

MITテクノロジーレビューは毎年、世界に真のインパクトを与える有望なテクノロジーを探している。本誌がいま最も重要だと考える進歩を紹介しよう。

記事一覧を見る
気候テック企業15 2023

MITテクノロジーレビューの「気候テック企業15」は、温室効果ガスの排出量を大幅に削減する、あるいは地球温暖化の脅威に対処できる可能性が高い有望な「気候テック企業」の年次リストである。

記事一覧を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る