人間の脳ができるあらゆることの中で、匂いの識別をいかに手助けしているかはもっともよく理解されていることの1つだ。匂いが鼻の嗅覚細胞に当たると、嗅球(きゅうきゅう)と呼ばれる、脳内の対応するニューロンの集団に信号が送られる。嗅球は脳の他の部分に信号を送り出し、グレープフルーツの香水を楽しんだり、ゴミの悪臭を避けたりすることを可能にする。
嗅球は哺乳類に特有であるが、昆虫などの他の動物も同様の神経構造を持っている。インテルのニューロモーフィック・コンピューター・ラボのマイク・デイビス所長は、「別々の進化を経て同様の機能に行き着いたということは、匂いを嗅ぐことはおそらくかなり基本的で効率的な実装なのでしょう」と述べている。
嗅覚システムは非常に効率的であり、かつ嗅覚システムについては非常に多くのことが知られている。そのため、嗅覚システムは、脳の構造から直接インスピレーションを得た新しいタイプのコンピューティング・ハードウェアであるニューロモーフィック・チップにはうってつけの出発点となる。
イ …
- 人気の記事ランキング
-
- AI can make you more creative—but it has limits 生成AIは人間の創造性を高めるか? 新研究で限界が明らかに
- Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2024 「Innovators Under 35 Japan」2024年度候補者募集のお知らせ
- A new weather prediction model from Google combines AI with traditional physics グーグルが気象予測で新モデル、機械学習と物理学を統合
- How to fix a Windows PC affected by the global outage 世界規模のウィンドウズPCトラブル、IT部門「最悪の週末」に
- The next generation of mRNA vaccines is on its way 日本で承認された新世代mRNAワクチン、従来とどう違うのか?