KADOKAWA Technology Review
×
新型コロナでビットコインが暴落、「安全な避難場所」は幻想か
Ms Tech / Unsplash: Aleksi Räisä
ブロックチェーン 無料会員限定
Coronavirus is forcing fans of Bitcoin to realize it’s not a “safe haven” after all

新型コロナでビットコインが暴落、「安全な避難場所」は幻想か

ビットコインが大暴落。株式市場の影響を受けない「安全な避難場所」になることに期待した人たちは裏切られた格好だ。 by Mike Orcutt2020.04.07

新型コロナウィルスのパンデミックを受け、金融市場は大混乱に陥っている。だが、熱心なビットコイン支持者と少しでも話したことがあるなら、暗号通貨はまさにこうしたときのために生まれたのだと、何度も耳にしたことがあるのではないか? ビットコインを信じてやまない支持者は、デジタル資産は株のような伝統的な資産と「相関関係がない」ことから、我々が現在目の当たりにしている相場の崩壊に対する「安全な避難場所」になると主張する。

だが、狂信的な支持者の期待に反して、ビットコイン、すなわち暗号通貨市場全体は株式市場とともに下落した。3月19日には急上昇したものの、一時は前月比で約40%まで暴落。結局のところ、ビットコインは安全な避難場所ではなかったのだろうか? ビットコインは過去最大の試験に失敗したように見えるものの、一方でビットコインとは果たして何であり、何ではないのか。我々がまだそれを理解しようとしている途中にいることを思い出させる出来事だった。

ビットコインが何か特別のものなのかどうかも明らかではない。だが、ビットコインの創始者とされるいまだ正体不明の人物であるサトシ・ナカモトが、いくつかの手がかりを残している。ビットコインの概念を最初に紹介したナカモトのホワイトペーパーのタイトルには「ピア・ツー・ピア (P2P)電子マネー・システム」という言葉が言及されている。序論の中で、ナカモトは「信用できる第三者機関」に過度に依存している従来のインターネット商取引に代わるものが必要だと呼びかけた。

さらに、ナカモトによる謎のメッセージもある。「ジェネシス・ブロック(genesis block)」として知られる、ビットコイン・ブロックチェーンの最初の取引記録に残されたメッセージで、「 英国の財務大臣が2度目の銀行救済の瀬戸際に(2009年1月3日付タイムズ紙)」とある。ナカモトが、このメッセージの意味について説明したことは一度もない。それでも、これを読めば …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. A long-abandoned US nuclear technology is making a comeback in China 中国でトリウム原子炉が稼働、見直される過去のアイデア
  2. Here’s why we need to start thinking of AI as “normal” AIは「普通」の技術、プリンストン大のつまらない提言の背景
  3. AI companions are the final stage of digital addiction, and lawmakers are taking aim SNS超える中毒性、「AIコンパニオン」に安全対策求める声
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版

本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

特集ページへ
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る