KADOKAWA Technology Review
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スペースX、火星向け「スターシップ」の試作機打ち上げに成功
Space X
SpaceX flew a prototype of its Starship vehicle for the first time

スペースX、火星向け「スターシップ」の試作機打ち上げに成功

スペースXの次世代大型ロケット「スターシップ」の試作機が打ち上げに初めて成功した。道のりはまだ長いが、スペースXにとってターニング・ポイントになりそうだ。 by Neel V. Patel2020.08.10

スペースXは8月4日、次世代宇宙船「スターシップ(Starship )」の試作機の打ち上げに初成功した。火星に人間を送るという、スペースXの最終目標へ向けた大きな前進だ。

スターシップの試作機は米国東部時間の午後8時(日本時間8月5日午前10時)ごろ、テキサス州ボカチカにある実験場から打ち上げられ、上空約150メートルまで達した(スペースXはこの試験飛行の正確な高度をまだ発表していない)。空中に「飛び跳ねた」後、宇宙船はわずかに横に移動してから着陸用の6本の脚を広げ、無事下降して地上に戻った。飛行時間は全体で約45秒だった。

試作機は「SN5」と呼ばれ、スペースXの強力なエンジン「ラプター(Raptor )」を1基のみ搭載している。スペースXが計画している最終形態までの道のりは長い。スターシップの完成形は高さ約120メートル、幅約9メートルとなり、100トン以上相当の貨物や乗客を月や火星などの目的地まで運ぶ予定だ。ラプターエンジン6基に加えて、「スーパーヘビー(Super Heavy)」と呼ばれる巨大ブースターを搭載する。

スターシップの試作機はこれまで4機製造されたが、地上試験に失敗して破壊された。離陸はもとより、スペースXがスターシップのエンジンを無事に燃焼できたのは、今回が初めてとなる。また、実物大の試作機を飛ばしたのも初となる。「スターホッパー(Starhopper)」という今回より小型の試作品は、2019年に約149メートルの高さに打ち上げられた。

SN5はもう一度打ち上げられるかもしれないが、スペースXはすでに6機目の試作機を製造しており、それを使ってさらに厳しい条件のもとで150メートルを越える高度に打ち上げるとみられる。スターシップは長期プロジェクトだが、すでに計画が遅れている。イーロン・マスクCEO(最高経営責任者)は、2019年9月に初めて「スターシップ」のデザインを公開した時、わずか数カ月で同機を上空12マイル(約19キロ)まで飛ばし、半年で軌道飛行を実施すると発言していたが、非現実的な野望は実現できなかった。

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ニール・V・パテル [Neel V. Patel]米国版 宇宙担当記者
MITテクノロジーレビューの宇宙担当記者。地球外で起こっているすべてのことを扱うニュースレター「ジ・エアロック(The Airlock)」の執筆も担当している。MITテクノロジーレビュー入社前は、フリーランスの科学技術ジャーナリストとして、ポピュラー・サイエンス(Popular Science)、デイリー・ビースト(The Daily Beast)、スレート(Slate)、ワイアード(Wired)、ヴァージ(the Verge)などに寄稿。独立前は、インバース(Inverse)の准編集者として、宇宙報道の強化をリードした。
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