大統領選で急増する郵便投票、パンデミック終息後も定着か
今年の米国大統領選挙は、新型コロナウイルスの影響で郵便による期日前投票が増えそうだ。しかし、パンデミック終息後も、便利な郵便投票を希望する有権者は増えていくだろうと米国の選挙支援委員会トップは語る。 by Patrick Howell O'Neill2020.10.21
2020年の米国大統領選挙の投票日まで、まだ2週間以上あるが、2900万を超える有権者がすでに投票を済ませている。 前回の大統領選挙が実施された2016年の同じ時期には、期日前投票を済ませた人の数は600万人ほどだった。この動向の主な要因となっているのは現在進行中(悪化中)の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)危機だ。しかし米国の選挙管理当局トップは、期日前郵便投票への推移は、パンデミックが終息した後も続く永続的なものとなるだろうと述べた。
「より多くの国民が期日前投票や郵便投票などの便利な投票手段に触れるにつれ、そうした手段を気に入って、以降も同じ方法での投票を希望する人が増えていくという傾向は、ずっと以前から見られています」。米国全土で投票ガイドラインの運用支援や諮問を実施する米国選挙支援委員会のベンジャミン・ホブランド委員長はそう語る。
過去から学ぶ
この過程に関して、歴史から学べることは多い。米国初の郵便投票は南北戦争時代に遡り、現在では5つの州がほぼ全面的な郵便投票による選挙を実施している。
米国における郵便投票の先駆けとなったのは、オレゴン州だ。郵便投票というアイデアが1981年に初めて登場した時には、懐疑的な意見や反対意見が目立った。しかし80年代の終わり頃には郵便投票の受け入れが急速 …
- 人気の記事ランキング
-
- An ancient man’s remains were hacked apart and kept in a garage 切り刻まれた古代人、破壊的発掘から保存重視へと変わる考古学
- This startup just hit a big milestone for green steel production グリーン鉄鋼、商業化へ前進 ボストン・メタルが1トンの製造に成功
- AI reasoning models can cheat to win chess games 最新AIモデル、勝つためなら手段選ばず チェス対局で明らかに
- OpenAI has released its first research into how using ChatGPT affects people’s emotional wellbeing チャットGPTとの対話で孤独は深まる? オープンAIとMITが研究