KADOKAWA Technology Review
×
宇宙旅行新時代の幕開け、スペースXが民間人だけの飛行実施へ
SpaceX
宇宙 無料会員限定
The space tourism we were promised is finally here—sort of

宇宙旅行新時代の幕開け、スペースXが民間人だけの飛行実施へ

スペースXは、民間人だけで構成される乗組員と商用宇宙船で地球周回軌道に向かう史上初のミッションを、2021年内に実行する計画を発表した。マスクCEOは「誰でも宇宙へ行けるようになるマイルストーン」だと語るが、当分の間、顧客は超高所得層に限られるだろう。 by Neel V. Patel2021.02.08

スペースX(SpaceX)は昨年、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックを切り抜け、民間企業として初めて、商用宇宙船を使用して宇宙飛行士を宇宙空間へ送り出すことに成功した。

同社は、2021年内にもうひとつ偉業を成し遂げることで更なる成功を重ねる構えを見せている。2月1日にスペースXは、軌道を目指す「すべて民間人による」初のミッションを今年中に実行する計画を発表した。「インスピレーション4(Inspiration4)」と名付けられたこのミッションでは、熟練のパイロットであり、デジタル決済企業であるシフト4ペイメンツ(Shift4Payments)のCEO(最高経営責任者)を務める資本家、ジャレッド・アイザックマンとその他3名の搭乗者が、クルードラゴン(Crew Dragon)号で地球低軌道へと送り出される。ミッションの期間は2~4日間、あるいはそれ以上となる予定だ。

インスピレーション4にはチャリティ事業の側面もある。このミッションの単独出資者であり、「指揮官」であるアイザックマンCEOは、メンフィス市のセント・ジュード小児研究病院に1億ドルを寄付しており、さらに一般からの募金を募って少なくともあと1億ドルの調達を目指している。座席のひとつは、すでに選定済みの「セント・ジュード病院大使」のものとなる。しかし残りの2座席に座ることになる人物はまだ決定していない。1人はセント・ジュード病院に最低10ドルを寄付した人の中から抽選で選ばれることとなっており、あともう1人はシフト4ペイメンツが開催するコンペで選出される起業家となる予定だ。

2月1日の発表でスペースX のイーロン・マスクCEOは記者に対し、「皆さんが宇宙へ行けるようになる上で、これは重要な節目となります」と語った。「徐々にコストを削減し、誰もが宇宙へ行けるようにすることは、こういったミッションを通じてこそ可能になるのです」。

インスピレーション4はスペースXが今後数年間に予定している4つの民間ミッションのひとつだ。他の3つのミッションは、スペース・ドラゴンを使用して4人が国際宇宙ステーションに8日間滞在するアクシアム・スペースとの共同ミッション(現在の実施予定時期は2022年1月以降)、同じくスペース・ドラゴンを使用し、ツーリズム企業のスペース・アドベンチャーズ(Space Adven …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. The balcony solar boom is coming to the US 安全性は大丈夫? 米国で「バルコニー発電」がブーム
  2. The era of AI malaise AI閉塞感の時代、私たちはまだ何も分かっていない
  3. Here’s what you need to know about the cruise ship hantavirus outbreak クルーズ船のハンタウイルス感染、パンデミックを心配すべきか?
  4. It’s time to make a plan for nuclear waste 先送りされてきた「核のゴミ」問題、ブームの今こそ向き合え
MITテクノロジーレビューが選んだ、AIの10大潮流 [2026年版]

AIをめぐる喧騒の中で、本当に目を向けるべきものは何か。この問いに対する答えとして、MITテクノロジーレビューはAIの重要なアイデア、潮流、新たな進展を整理したリストを発表する。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る