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ロシア内戦の舞台は「テレグラム」、親プーチン派と反戦派が激突
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Russia’s battle to convince people to join its war is being waged on Telegram

ロシア内戦の舞台は「テレグラム」、親プーチン派と反戦派が激突

プーチン大統領が予備役部分動員を発表するとすぐに、テレグラム上で「内戦」が始まった。親プーチン派が戦意高揚を図るプロパガンダを流す一方で、反対派は徴兵を逃れるための情報を市民に共有している。 by Chris Stokel-Walker2022.09.27

ウラジーミル・プーチン大統領は、ウクライナでの長期にわたる残虐な戦争をロシアに有利に転がそうと必死になっている。プーチン大統領が9月21日に軍の予備役の部分動員を宣言した際、並行してもう1つの戦いが勃発した。徴兵のメリットとリスクについてロシア国民を説得しようとする戦いだ。この戦いは暗号化されたメッセージング・サービスであるテレグラム(Telegram)を戦場として、親プーチン派は党のプロパガンダを推し、反対派は国外脱出できる方法を提案している。

ドイツ外交問題評議会の研究員でありロシアを専門とするアレナ・エピファノヴァは、「ロシアではテレグラムは特別なものです。ある勢力にとっては、インターネット上の自由の象徴なのです」と話す。

テレグラムは、指導者に対するネット上の言論の自由を抑圧するロシア政府の企てから逃れた、数少ないプラットフォームの1つだ。2018年にロシア当局は、インターネットの自由をさらに厳しく取り締まる一環としてテレグラムを禁止しようとしたが、失敗した。その一因は、ロシアのメディア規制当局の手が及ばないように、テレグラムがメッセージをロシア国外に迂回させたことだった。ユーザーたちの創意工夫のおかげでもある。VPNを導入してインターネット活動に対する国家の監視を逃れることに精通していたのだ。

テレグラムに勝てなかったロシア政府は、参加することにした。親クレムリン派の筋書きをサイバースペースに流す独自のチャンネルを立ち上げたのだ。

2022年2月のロシアのウクライナ侵攻以来、テレグラムは「戦争全般に関する重要な情報源」になっていると、エピファノヴァ研究員は言う。双方は国内の支持者と海外の視聴者に向けて、軍事的な利得と相手の損失に関する最新情報を毎日共有している。

そのため、プーチン大統領が予備役を動員した後、親クレムリン派のテレグラム・チャンネルがプーチン大統領の計画を忠実に支持し始めたことは、昼の後に夜が来るのと同じくらい当然のことだった。プーチン大統領に支持されているとみられる親クレムリン派の草の根テレグラム・チャンネルは、国家の政策に対する批判的な物言いに迅速に対抗するための組織として活動している。シェフィールド大学でジャーナリズムとデジタルメディアの講師を務めるイリヤ・ヤブロコフは、そのようなチャンネルは「明らかに国営チャンネル」だと言う。「彼らは昨日、100万人の男性がウクライナの戦争に徴兵されるかもしれないと …

プーチン大統領が予備役部分動員を発表するとすぐに、テレグラム上で「内戦」が始まった。親プーチン派が戦意高揚を図るプロパガンダを流す一方で、反対派は徴兵を逃れるための情報を市民に共有している。
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