KADOKAWA Technology Review
×
ひと月あたり1000円で購読できる春のキャンペーン実施中!
2027年にマンモス復活、
「脱絶滅」ベンチャーの野望
MITTR/Getty
生物工学/医療 Insider Online限定
How much would you pay to see a woolly mammoth?

2027年にマンモス復活、
「脱絶滅」ベンチャーの野望

米国のバイオサイエンス企業のコロッサルは、遺伝子編集技術などを駆使してフクロオオカミやマンモスの復元を目指している。復元担当ディレクターを務めるサラ・オードが、同社の野望について語った。 by Antonio Regalado2022.11.25

サラ・オードはこの1週間、「ダンナート」というマウスくらいの大きさの有袋類の皮膚細胞について、科学者たちと話し合っていた。細胞は、彼女が勤める「脱絶滅」企業、コロッサル・バイオサイエンス(Colossal Biosciences)宛てにオーストラリアの共同研究者が送ったものだ。

オードの仕事は、その細胞の遺伝子編集を担うチームを率いることだ。チームは、ダンナートの細胞のDNAを遺伝子編集で徐々に変化させて、遠縁の動物であるフクロオオカミのDNAに似せる方法の解明に取り組んでいる。フクロオオカミはタスマニアタイガーとも呼ばれ、縞模様を持つ有袋類の肉食動物であるが、1936年に絶滅した。

フクロオオカミのDNAを十分に含んだダンナートの細胞を作れれば、次のステップはクローニングで胚を、そして最終的には動物を作ることを目指している。他には、アジアゾウに耐寒性と太い赤毛の遺伝子を加え、ケナガマンモスのような動物への作り変えを試みているプロジェクトもある。

もちろん、復活した種はまだない。「種の復元担当ディレクター」としてのオードの仕事は、DNAテクノロジー、幹細胞研究、遺伝子編集、人工子宮などのハイテクを組み合わせることで、失われた種の復活だけでなく、消滅寸前の種の保存にもつながるかもしれないという想像上の未来に関するものだ。

オードは、研究所、病院、そしてソフトウェア会社での勤務を経て現在の職に就いた。この仕事は性に合っている、と彼女は語る。オードはたくさんのペットと一緒に育ち、ディスカバリーチャンネルやナショナルジオグラフィックの番組がお気に入り。「昔から動物が大好きでした」と言う。

「脱絶滅」企業と称するコロッサルが、ハードサイエンスであるのと同じくらいハリウッドの制作会社のようでもあるのは間違いない。やり手の演説家であるトニー・ロビンズも資金を支援しており、アイデアの出所は、遠慮のない発言で知られる遺伝子科学者、ジョージ・チャーチ教授の研究室だ。チャーチ教授は、成果は未だほどんどないものの、2013年からマンモスの復活をメディアで宣伝している。

コミュニケーション、科学、そしてフューチャリズムで構成されるオードの仕事も、似たようなものだ。では、コロッサルがフクロオオカミ、あるいはそれに近いものの再現に成功したらどうなるのか? オードによると、コロッサルはその動物を公開して、チケット販売で利益を得ることになるかもしれないという。

MITテクノロジーレビューのインタビューで、オードは、同社がわずか2年後の2025年までにフクロオオカミを、2027年までにマンモスを生み出す見込みであると述べている。

——「種の復元担当ディレクター」は、これまでに聞いたことがない未来的な肩書きの1 …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【春割】実施中! ひと月あたり1,000円で読み放題
10 Breakthrough Technologies 2024

MITテクノロジーレビューは毎年、世界に真のインパクトを与える有望なテクノロジーを探している。本誌がいま最も重要だと考える進歩を紹介しよう。

記事一覧を見る
気候テック企業15 2023

MITテクノロジーレビューの「気候テック企業15」は、温室効果ガスの排出量を大幅に削減する、あるいは地球温暖化の脅威に対処できる可能性が高い有望な「気候テック企業」の年次リストである。

記事一覧を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る