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生成AIが政治を変える
6つのマイルストーン
Sarah Rogers/MITTR | Getty Images
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Six ways that AI could change politics

生成AIが政治を変える
6つのマイルストーン

政治に対するAIの関わりと聞くと、ディープフェイクの選挙広告や捏造書簡がすぐに思い浮かぶだろう。だが、AIはすでに法案の作成や政党の立ち上げなどに使われており、今後は民主主義とより深く関わってくる可能性が高い。 by Nathan E. Sanders2023.09.11

オープンAI(OpenAI)が大規模言語モデルベースのチャットボット「チャットGPT(CharGPT)」を公開したのはほんの10カ月ほど前のことだ(日本版注:公開は2022年11月30日)。チャットGPTが私たちの日常生活やキャリア、さらには自己統治のシステムへどのような影響をもたらすのかについては、まだ学びの途中にある。

しかし人工知能(AI)が民主主義をどのように脅かすのかという点では、世間の会話の多くは想像力に欠けている。偽の画像(または偽の音声や動画)で競争相手を攻撃するキャンペーンの危険性は、話題に上りやすい。我々にはすでに、数十年にわたって改ざんされた画像に対処してきた経験があるからだ。偽情報を広める外国政府を警戒しているのは、2016年の米国大統領選挙がトラウマになっているためだ。また、AIの生成した意見が現実の人々の政治的嗜好を圧倒してしまうとの懸念もある。私たちは、政治的な「アストロターフィング」(偽のオンライン・アカウントを使って政策支持を錯覚させる手法)は、ここ何十年にもわたって拡大しているのを見てきた。

この種の脅威は目を引くため、緊急かつ不穏に思える。私たちは何に注意すべきかを知っていて、それらの影響を簡単に想像できる。

だが実際には、未来はもっと興味深いものになるだろう。AIが政治に与える最も大きな潜在的影響のすべてが悪いものにはならないはずだ。現時点におけるAIツールの能力と、現在の大衆理解の基準では極めて衝撃的と見なされる現実世界の結果との間には、かなり明確な境界線を引くことができる。

この事を念頭に置いて、AIが推進する民主政治の新時代を告げる、6つのマイルストーンを提案しよう。そのすべてが達成可能だろう。現在のテクノロジーやAIの導入レベルでは実現しないかもしれないが、おそらく近い将来には可能になるはずだ。

政治的なAIのマイルストーンとは?

優れたベンチマークとは、意味を持ったものであるべきだ。実世界の影響を伴う、重要な結果を示している必要がある。そこには、説得力もあるべきだ。見通し得る将来に、現実的に達成できるものでなければならないし、観察できるものであるべきだ。さらに、達成されたときには、それを認識できる必要がある。

AIが選挙結果を左右するのではないかという懸念は、可観測性テストで失敗する可能性が非常に高い。候補者や政党の影響力がロボットで促進され、選挙が操作されるというリスクが正当な脅威である一方で、選挙というものは非常に複雑だ。ドナルド・トランプがなぜ、どのようにして2016年の大統領選に勝利したかについて激しい議論が続いているように、予期しない選挙結果の原因を特定のAI介入に紐づけることはまず不可能である。

より先の未来について考えてみよう。AI候補者が当選する可能性はあるだろうか。テレビ番組の『トワイライト・ゾーン(Twilight Zone)』から『ブラック・ミラー(Black Mirror)』まで、スペキュレイティブ・フィクションの世界では、かつては不適格だった候補者、つまりAIやテクノロジーの補助を受けた者が選挙に勝つ可能性に関心が高まっている。ディープフェイク動画が人間の候補者の意見や行動を不正確に伝える可能性があり、人間の政治家がAIアバターや、ロボットさえも肖像に使うことを選択できる時代においては、AI候補者が政治家のメディアでの姿を模倣することも確かに可能である。たとえばロシアでは2017年に、仮想政治家が国政選挙で票を獲得している。しかし、これは妥当性テストに合格しない。有権者と法律機関は、ますます多くのAIによる自動化や支援を受け入れるようになる可能性が高いが、それでも、人間以外の議員が選出される時代ははるかに遠い。

AIにとっての次の政治的マイルストーン

まずは、すでに現実になろうとしているいくつかのマイルストーンから取り上げよう。これらについては、現在のAIテクノロジーの技術的範囲内で実現可能性が高く、すでに基礎が出来上がっている。

マイルストーン1:AIが生成し、その名の下で提出した証言や意見を立法府または政府機関が受理すること。

人間のユーザーの指示の下で、人間の議員によって取り入れられているとはいえ、私たちはほぼ間違いなく、AIが起草した法案をすでに目にしている。初期には、AIによって作成された法案をマサチューセッツ州や米国下院が導入した。いくつかのそうした例の後、多くの主要な立法機関で「AIが作成した初の法案」や「チャットGPTによる委員会意見の生成」、「AIが作成した初の議場演説」が取り入れられている。

これらの法案や演説の多くは真剣な取り組みというよりも売名行為に近く、検討されるより批判を受けることの方が多かった。それらは短く、取るに足りないレベルの政策内容でしかないか、人間の議員が大幅な編集をしたり、チャットGPTのように大規模言語モデルAIツールに非常に具体的な指示を出して誘導したりしたものだった。

このような路線で関心を引くマイルストーンとしては、AIが完全起草した法案証言や立法機関への意見 …

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