気候テック15:二酸化炭素から航空燃料を生産するトウェルブ
MITテクノロジーレビューの「気候テック企業15」の1社であるトウェルブは、排出される二酸化炭素と水を分解し、持続可能なジェット燃料である「Eジェット」などを生産する企業だ。最近、商業規模生産施設の建設を始めた。 by Eileen Guo2023.11.09
トウェルブ(Twelve)は、二酸化炭素を分解して、現在化石燃料から製造されているほぼすべての化学製品を作り出すプロセスを商業化している。同社はすでにこのプロセスで「Eジェット(E-Jet)」と呼ばれる、持続可能な航空燃料(SAFs:Sustainable Aviation Fuels、日本ではSAFとも)を生産しており、さらには、サングラスやメルセデス(Mercedes)の部品、洗濯用洗剤に使用される化学物質など、他の消費者向け製品の製造についても各社と検討している。
これを実現するため、トウェルブは「O12」と呼ばれるスーツケースサイズの電気化学リアクターを開発した。このリアクターは、廃棄物から出る二酸化炭素や、空気中から直接取り込んだ二酸化炭素を取り込み、金属触媒と電気を使って二酸化炭素と水を分解し、元素を再結合させて様々な化学物質を作り出す。
2021年8月、トウェルブは米空軍との試験プロジェクトにおいて、自社のEジェット燃料テクノロジーが実用可能であることを証明した。
基本データ
潜在的なインパクト
トウェルブの取り組みは、全世界の二酸化炭素排出量の2%を占める航空産業からの排出に取り組むうえで、特に重要なものとなる可能性がある。
航空業界内の圧倒的多数は、依然として灯油ベースの燃料を使用している。たとえば米国では、毎年使用されるジェット燃料662億リットル(175億ガロン)のうち、持続可能な資源から作 …
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