気候テック15:クリーンエネでインドの脱炭素化を進めるリニュー
創業から10年余りでインド最大級の再生可能エネルギー企業の1社となったリニューは、最近ではエネルギー貯蔵やグリーン水素などの事業にも進出。インドが脱炭素化目標の達成に近づくのに貢献している。 by Anuradha Varanasi2023.11.10
リニュー(ReNew)は2012年に最初の事業を立ち上げ、インドのグジャラート州に小さな風力発電所を作った。しかし、それからほんの10年余りで、インド最大級の再生可能エネルギー企業の1社となった。現在では、120以上の風力および太陽光事業を国内各地で運営し、全体でおよそ1400万戸への電力供給能力がある。
リニューは現在、他分野への進出も進めている。送電網上の不安定な再生可能エネルギー源の管理に役立つバッテリー貯蔵プラントを開発したり、インドの重工業のクリーン化開始を可能とし得るクリーンな水素を生産したりする計画がある。
基本データ
潜在的なインパクト
リニューの風力・太陽光事業は、インドが脱炭素化目標の達成に近づく助けとなっている。2023年8月時点で172ギガワットとなったインドの再生可能エネルギーの設備容量のうち、5%をリニューが担っている。
しかし、インドは依然として、エネルギー貯蔵システムの開発において大きく後れをとっている。貯蔵施設がなければ、風力・太陽エネルギーの変動により、こういった低炭素電力源を送電網に組み込むのは一層困難になる。
設置済みのバッテリー貯蔵容量が37メガワット時しかないインドには、目標達成のため、2032年までに少なくとも236ギガワット時のエネルギー貯蔵施設が追加で必要となる。この問題に対処するため、リニューは2つの州にまたがる国内最大級の実用規模のリチウムイオンバッテリーシステムを構築している。このシステムは2023年末までに稼働予定だ。
留意点
2011年以来、急成長を遂げてきたリニューだが、今後は同様のペースでの事業を拡大できなくなるかもしれ …
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