KADOKAWA Technology Review
×
2024年を代表する若きイノベーターたちに会える!【11/30】はIU35 Japan Summitへ
ニュース Insider Online限定
Competing with the Chinese Factory of 2017

中国を恐れよ 米国第一主義だけで米国は中国製造業に勝てない

イノベーションは製品企画と製造設計、製造工程が場所として近くにあることで促されるため、米国に工場を作るだけでは製造業は復活しない。製造業の深い知識や品揃え豊富なサプライチェーンが、中国の強みだ。 by Nanette Byrnes2017.03.17

ドナルド・トランプは大統領選挙期間中も大統領執務室に移ってからも、米国の製造業や中国との競争について発言を繰り返してきた。中国は今や携帯電話やドローン、太陽光パネルといった数多くのテクノロジーの製造拠点だ。米国の工場はどうすれば中国と競争できるのだろうか?

ハーバード大学経営大学院のウィリー・シー教授は、長年のキャリアを通してビジネスの研究と教育に携わり、何度も中国を訪れており、1月にも学生と中国の製造業の中心地を視察した。シー教授は中国で目にした状況について、MIT Technology Reviewに語ってくれた。

以下はシー教授とのインタビューの抜粋で、わかりやすいように編集・要約してある。なお、Insider Premium(米国版)会員には、インタビュー全体の音声を提供中だ。

現在の中国の製造業は、どんなところが優れていますか?

複雑な相互依存の状況です。ほとんどのスマホは2000個の部品で組み立てられています。LCDタッチパネルのように大きな部品もありますが、部品の多くは小さな機械用のネジやコンデンサー、回路基板に使われるさまざまな種類の個別部品のように、もっと小さな部品です。最初に製品を組み立てる工場は、基本的な部品の供給業者と提携しているはずで、そういった業者のそれぞれも同様に、次の段階の業者とつながっており、時にはその次やそれまた次の段階の業者ともつながっています。こういった業者はすべて、比較的急な受注でも部品を供給してくれるのです。中国の製造業が強いのは、業者の数が多く、利用しやすいからでしょう。

洋服や玩具等、あらゆるものを扱う中国の伝統的な露店は、観光やテレビなどで見たことがある人もいるでしょう。電子機器を扱う深圳市の卸売業は非常に独特です。深圳市には、電子機器に使われる表面実装部品を専門に扱う小さな商店が数 …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. The winners of Innovators under 35 Japan 2024 have been announced MITTRが選ぶ、 日本発U35イノベーター 2024年版
  2. Promotion The winners of Innovators under 35 Japan 2024 have been announced MITTRが選ぶ、
    日本発U35イノベーター
    2024年版
  3. AI will add to the e-waste problem. Here’s what we can do about it. 30年までに最大500万トン、生成AIブームで大量の電子廃棄物
  4. Kids are learning how to make their own little language models 作って学ぶ生成AIモデルの仕組み、MITが子ども向け新アプリ
  5. OpenAI brings a new web search tool to ChatGPT チャットGPTに生成AI検索、グーグルの牙城崩せるか
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る