KADOKAWA Technology Review
×
Innovators Under 35 Japan 2026 候補者募集開始!
VR乗っ取るインセプション攻撃、没入感を悪用 なりすましも
Dogboy
コンピューティング 無料会員限定
Researchers hijacked VR headsets with an Inception-style hack 

VR乗っ取るインセプション攻撃、没入感を悪用 なりすましも

メタのVRヘッドセットの脆弱性を利用して、ユーザーの見る画面や操作を乗っ取り、機密情報を盗んだり、やり取りを改変したりできることが新研究でわかった。ボランティアによるテストでは、この攻撃に気づいたものはほとんどいなかったという。 by Melissa Heikkilä2024.03.26

クリストファー・ノーラン監督の映画『インセプション』では、レオナルド・ディカプリオ演じるキャラクターがテクノロジーを利用してターゲットの夢に入り込み、情報を盗み出して、潜在意識に虚偽の情報を挿入するというシーンがある。

実質現実(VR)における新しい「インセプション攻撃」も、同じように機能する。シカゴ大学の研究チームは、メタの 「クエスト(Quest )」VRシステムのセキュリティ脆弱性を悪用して、ユーザーのヘッドセットを乗っ取り、機密情報を盗み、生成AIの助けを借りてソーシャル・インタラクションを操作することに成功した。

この攻撃はまだ実際には使用されていない。ハッカーがVRヘッドセットのユーザーのWi-Fiネットワークにアクセスする必要があるため、実行のハードルが高いのだ。ただし、この攻撃は非常に洗練されており、ターゲットとなったユーザーはフィッシング、詐欺、グルーミングなどのリスクに対して非常に脆弱になってしまう。

この攻撃でハッカーは 、クエストVRシステムに悪意のあるコードを注入するアプリを用いて、VRシステムのホーム画面とユーザーの元の画面と同じに見えるアプリのクローンを起動する。侵入に成功すると、ハッカーはその人がヘッドセットを使用して実行するすべてのことを確認、記録、変更できてしまう。これには音声、ジェスチャー、キーストローク、ブラウジング・アクティビティ、さらにはユーザーのソーシャル・インタラクションの追跡も含まれる。さらにハッカーは、ユーザーが他の人に送るメッセージの内容を変更することさえできる。この研究は、MITテクノロジーレビューに独占的に共有されたもので、まだ査読は受けていない。

メタの広報担当者は、この研究結果について検討する予定であると述べ、「当社はバグ報奨金プログラムやその他の取り組みの一環として、常に学術研究者と協力しています」と述べた。

VRヘッドセットは近年徐々に人気が高まっている。しかし、製品自体の開発に比べてセキュリティ研究が遅れており、VRにおけるハッカーからの攻撃に対する現在の防御策は不足している。さらに、VR体験の没入感の高い性質が、ユーザーが罠にはまったことを気づきにくくしている。

「今回のことで衝撃を受けたのは、今日のVRシステムがいかに脆いものかということです」。研究チームを指揮したシカゴ大学のヘザ …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. Anthropic’s Code with Claude showed off coding’s future—whether you like it or not 「Claudeに任せてしまおう」 たった1年で激変したソフトウェア開発
  2. Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2026 「Innovators Under 35 Japan」2026年度候補者募集のお知らせ
  3. It’s time to address the looming crisis in entry-level work. 「コーディングを学べ」もう通用せず、AIが若者の雇用を奪い始めた
▼Promotion
社会実装都市「ひろしま」の魅力に迫る ローカル ✕ イノベーション
MITテクノロジーレビューが選んだ、AIの10大潮流 [2026年版]

AIをめぐる喧騒の中で、本当に目を向けるべきものは何か。この問いに対する答えとして、MITテクノロジーレビューはAIの重要なアイデア、潮流、新たな進展を整理したリストを発表する。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る