MITが
次世代原子炉の
研究を再開
MITが、溶融塩原子炉の研究再開に向けて動き出した。既存の原子力施設の「おまけ」として試験炉を建設することで、建設費や認可手続きを大幅に短縮させる考えだ。 by James Temple2017.03.28
MIT原子炉研究所の研究者が、小型で安全、安価な原子炉開発を加速させる、独創的計画を実行しようとしている。試作炉は、既存の原子炉の「おまけ」として建造される。
通常、原子力規制委員会(NRC)は、実験用に単独で稼働する試作炉を建設するよう求める。だが、計画中の1メガワット級実証炉は、それじたいでは核分裂反応を持続できないため、規制の対象外だと研究者は考えている。原子炉の新設には用地確保と認可手続きに10年以上かかることがあるが、この方法なら、何億ドルもの費用をかけずに、建設時間を半分にできる可能性がある。
MIT原子炉研究所が運用している6メガワットの軽水冷却研究炉は、大学構内の北西側にある、淡青色の鋼鉄とコンクリート製の原子炉収納建屋に設置されている。計画中の「臨界未満実験装置」は、かつて実験的ながん治療に使っていた医療用放射線管理室の跡地にもともとある、研究炉の6角形の炉心に隣接して建設される。
臨界未満実験装置は、一般的な実証炉の約半分のサイズで、主反応炉で発生する中性子核燃料で核分裂の連鎖反応を起こさせる。計画を立案した胡林文(フー・リンウェン)主任研究員によれば、1974年に稼働した現在のMITの反応炉の許可を修正することで、計画を実行できるという。
研究者が特に試したいのは、小型の可搬型溶融塩冷却炉の設計だ。送電網に接続せずに、都市部から離れた村落や作業現場 …
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