ほめ上手がネック? チャットGPTで脚本評価、ハリウッドに新風
米国のテック企業が、映画の脚本を分析・評価し、長所と短所の要約を出力するAIツールを発表した。脚本家志望者や評価者向けに提供するが、生成AIにありがちな「ほめすぎる」点が課題だ。 by James O'Donnell2024.09.27
ハリウッドの至るところで毎日、何人もの映画学校卒業生や制作アシスタントがスクリプト・リーダー(脚本の読み手)として働いている。スクリプトリーダーの仕事は、毎年売り込まれてくる5万本ほどの脚本からダイヤモンドの原石を見つけ出し、さらに追求する価値のある脚本を指摘することだ。1本の脚本は100ページから150ページほどあり、それを読んで「カバレッジ」(長所と短所の要約)を書くのに半日かかることもある。売り買いされる脚本は1年間にたった50本程度であるため、スクリプトリーダーは冷酷になるよう訓練されている。
そうした中、シネリティック(Cinelytic)は、生成AIを使って脚本のフィードバックを提供することを目指している。同社は、ワーナー・ブラザースやソニー・ピクチャーズなどの大手スタジオと協力して映画の予算や潜在的な興行収入を分析している、映画に特化したテック企業だ。
シネリティックは先日、「Callaia(カライア)」と呼ばれる新たなツールをリリースした。アマチュアの脚本家もプロのスクリプト・リーダーも同じようにこのツールを使い、1本あたり79ドルで脚本を分析してもらえる。カライアは人工知能(AI)を利用して、1分未満で脚本のあらすじ、比較可能な映画のリスト、台詞や独創性などの分野の評点、推奨される俳優などを含む独自のカバレッジを書き上げる。また、その映画が投資に値するかどうかということについて推薦し、「pass(及第点)」、「consider(検討に値する)」、「recommend(推奨)」、「strongly recommend(強く推奨)」のいずれかの評価をつける。このツールの基盤は「チャットGPT(ChatGPT)」のAPIで構築されているが、開発チームは脚本固有のタスクについてモデルを指導する必要があった。ジャンルの評価や、ストーリーを1文で要約する映画のログラインの作成などのタスクである。
「脚本を非常に素早く理解するのに役立ちます」と、シネリティックの共同創業者でCEO(最高経営責任者)のトビアス・クイーザーは言う。クイーザーCEOは映画プロデューサーとしてのキャリアも持つ。「より多くのストーリーや脚本に目を向けることができます。優れたコンテンツを見つけるこのビジネスにとって支障となる要素を理由に、脚本が排除されることがなくなります」。
カライアのアイデアは、ある脚本が上映によってどのような業績を達成する可能性があるか、スタジオが分析するためのより多くの方法を、マーケティングや制作に資金を費やす前に提供するというものだ。しかし、シネリティックによれば、映画製作のプロセスにおいてスク …
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