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地下に眠る数兆トン、天然水素は本当に「宝の山」なのか
US DEPARTMENT OF ENERGY
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How much hydrogen awaits us underground?

地下に眠る数兆トン、天然水素は本当に「宝の山」なのか

ゼロカーボン燃料として注目される天然水素を求めて、数十社のスタートアップが探査に乗り出している。地殻には数兆トンが眠るとされるが、商業的に採算の取れる鉱床が見つかったという報告は、まだ1つもない。この地下資源は、期待どおりの宝の山になるのだろうか。 by James Dinneen2026.08.18

この記事の3つのポイント
  1. キッド・クリーク鉱山の調査で年間約140トンの天然水素が未利用のまま放出されている実態がPNASに発表された
  2. 天然水素は地殻内で数兆トン規模で生成されると推定され、世界各地でスタートアップや研究機関による探査が加速している
  3. 商業規模での安定生産の証明が最大の課題であり、岩盤への注水で水素生成を人為的に促進する手法にも注目が集まっている
summarized by Claude 3

1990年代、バーバラ・シャーウッド・ロラーは、北米大陸の古い岩盤を3キロメートル以上の深さまで掘り下げた、オンタリオ州北部のキッド・クリーク鉱山に降りた。そこで彼女の地球化学者チームは、10億年以上にわたって地下に閉じ込められていた水を発見した。この太古の塩水には、水と岩石の反応によって生じる水素をエネルギー源とする微生物が生息していることが分かった。

それから数十年後、トロント大学の地球化学者であるシャーウッド・ロラーは、チームが蓄積してきた水素のデータを改めて調べ、鉱山内にゼロカーボン燃料の供給源として利用できるほどの水素があるかどうかを検討した。「優秀な人たちを集めて、これをどう取り出し、利用するかを考えられれば、立ち上がりつつあるこの分野にとって大きな前進になります」と彼女は語る。

水素燃料は多用途なエネルギー源として有望だが、一般的な製造法では大量の温室効果ガスが排出され、水素そのものが持つエネルギーを上回るエネルギーを製造に必要とする。地下にすでに存在する貯留層、いわゆる「天然水素」を利用できれば、状況は一変する。

天然水素を求めて、探査の動きが相次いでいる。天然水素は地下で、水分子が鉄に富む岩石との化学反応によって、あるいはキッド・クリークのように、ほかの元素の放射性崩壊に伴って分解されることで生成される。探索は世界中に広がり、数十社のスタートアップが参入している。オーストラリアのハイテラ(HyTerra)や、ビル・ゲイツが出資するコロマ(Koloma)もその一例で、両社は水素生成に関係する古代の海洋性岩石を目指して、米国中西部で調査を進めている。

米国地質調査所の研究者らは、地球の地殻内で数兆トンもの …

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