ドローンによる医薬品配送
米国3州で認可か?
ドローンによる医薬品配送をルワンダで実施すると発表したジップラインに、ホワイトハウスが米国内の過疎地域に医薬品を配送できるか問い合わせた。 by Jamie Condliffe2016.08.02
ジップラインの望みは、米国3州でドローンによる医薬品と血液の配送サービスを開始することだ。
ジップラインは4月、ドローン編隊でルワンダの奥地にある医療センターへの物資の空輸を始めると発表した。しかし今日、米国メリーランド州、ネバダ州、ワシントン州で配送計画を発表の見込みだとザ・バージが報じた。
ジップラインの航空機(同社は「Zips」と名付けている)は2台の電動モーターを搭載し、翼長は約2.4m、最大時速約96kmで飛行する。医療スタッフが必要物資をSMS等で無人機に送信すると、メッセージを受けたドローンがGPSに誘導されて現場に移動し、パラシュートを着けた物資を投下する。
ドローンによる配送は目新しいアイデアではない(アマゾンは自分のアイデアだというだろう)。しかし米国では、無人機による商業用配送には厳しい規制があり、ジップラインはルワンダで医薬品を配送する許可を取る方がずっと簡単のはずだ。
だが、米国政府はジップラインのテクノロジーに関心があるようだ。ジップライン創業者のケラー・リナウドCEOは、アフリカでのプロジェクト発表後、ホワイトハウスから接触を受けたと語っている。政府はメリーランド州スミス・アイランド、ネイティブ・アメリカン居留地といった人口の少ない地域で、この手法を採用したいと考えているようだ。
とはいえ、ジップラインがすぐに許可を得て配送を始められるわけではない。6月、米国連邦航空局(FAA)は新しい規制を発表し、条件を満たすドローンは特別な許可なく飛行できることにした。しかしこの規制は操縦者の視界内にドローンがあることを明記されており、ジップラインの手法は該当しない。ジップラインのはFAAに免除を求める必要がある。
他社は、この要求が認められるかどうか大きな関心を持っているに違いない。米国で承認されないことにしびれを切らしたのか、アマゾンは最近になってイギリス国内でテスト飛行する計画を発表した。FAAがジップラインに許可を出せば、他社には有利な先例となるだろう。
関連ページ
- The Verge
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- ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe]米国版 ニュース・解説担当副編集長
- MIT Technology Reviewのニュース・解説担当副編集長。ロンドンを拠点に、日刊ニュースレター「ザ・ダウンロード」を米国版編集部がある米国ボストンが朝を迎える前に用意するのが仕事です。前職はニューサイエンティスト誌とGizmodoでした。オックスフォード大学で学んだ工学博士です。