超音波リストバンドが
視覚障害者の「目」になる日
超音波を使って障害物を検知し、振動の強弱で距離を伝えるリストバンドが間もなく発売される。混み合った街中でもスムーズに移動できるという。 by Rachel Metz2017.08.08
全盲のフェルナンド・アルベルトリオが混み合った歩道をぶつからずに歩き回るのは難しい。しかし、アルベルトリオはスーパーパワーを持っている。人、出入口、ゴミ箱、街灯柱など、物体を感知することができるのだ。それも、触れる前に。
「スヌ(Sunu)」と呼ばれる会社の共同創業者であるアルベルトリオCEOは、障害物を感知する第六感を持っているわけではない。その代わりに、2人の共同創業者と共に開発した、手首に装着するガジェットを身につけている。このガジェットはソナーセンサーを備え、利用者は微妙な振動によって周囲の状況を感知できる。
アルベルトリオCEOが日常的に身に着けているバンドは、高周波の超音波を周囲に放っている。超音波が周囲にある物体に反射して戻ってくる強度からバンドとの距離を測定し、振動の強弱によって利用者にその距離を伝えるのだ。
「このような場所で動き回るときでも、もっと自信が持てるようになりました。普段なら早く歩くどころか『えっと、どこに向かっているんだっけ?』となるところです」。アルベルトリオCEOは、カリフォルニア州マウンテンビューのランチタイムで混み合った通りを横切りながら話した。
アルベルトリオCEOと共同創業者らはワイ・コンビネーター(Y Combinator)から支援を受けており、スヌバンドを全盲者を …
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